じーらぼ!言戯道場 (G-LABO Gengi-DOJO) 管理人:みやもと春九堂(しゅんきゅうどう)


【過去のつぶやき】
 2005年01月の【家元のつぶやき】のバックナンバーです。

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2005年01月のバックナンバー

新春連続更新1 学生時代の恋の話。(2005年01月01日-15:43)
新春連続更新2 霊的なお話 -1-(2005年01月01日-18:41)
忘年会の宴の始末。(2005年01月02日-22:44)
新春連続更新2 霊的なお話 -2-(2005年01月04日-23:35)
新春連続更新2 霊的なお話 -3-(2005年01月06日-17:53)
新春連続更新2 霊的なお話 -あとがき-(2005年01月07日-05:37)
新春連続更新3 想い出に残っている旅の話(2005年01月08日-10:16)
それでは新玉ってご挨拶。(2005年01月11日-06:30)
ミクシィーユー。<前編>(2005年01月14日-15:01)
ミクシィーユー。<中編>(2005年01月16日-00:17)
ミクシィーユー。<後編>(2005年01月17日-06:45)
納得できない日々。(2005年01月18日-20:33)
Oh! mammy!(2005年01月21日-10:55)
言戯道場総評 御題:一緒に夏を過ごす口説き文句(2005年01月24日-12:57)
電車大男。(2005年01月26日-08:54)
感動なんかするもんじゃない。(2005年01月28日-06:56)
24人のヒモテ・ミリガン(2005年01月28日-21:29)
でぶなび:羊をめぐる冒険(2005年01月30日-10:33)


新春連続更新1 学生時代の恋の話。


あけましておめでとうございます。大晦日はPRIDEとでぶやでした。K−1に関しては後日ゆっくり録画したものを確認したいと思います。

あ、さて。それでは新年一発目の『御題をもらって連続更新』行ってみましょう。

まずは静岡県にお住まいの永月さんからの御題『学生時代の家元と愉快な仲間の恋愛』です。


まだ僕が身も心も青々としていたグリーンボーイの頃のお話です。

当時の僕はといえば、女子と話すことなど出来ないベリーシャイボーイでして、コミュニケイションをする相手といえば、モニター越しの16色のキャラクターばかりでした(人はそれをエロゲーと呼ぶ)

まぁ二十代半ばを超えるあたりまでは、同世代の女性というのは圧倒的に女性の方が精神的にも肉体的にも成熟しているわけでして、姉二人という家族環境に育ったにも関わらず、いや、だからこそかもしれませんが、ぶっちゃけ女性が怖かったりしたんです。

部活もバリバリのオタク系を兼部するというような状況でしたから、クラスや委員会の女子くらいとしか接触する機会はなく、親しく話す機会もない。

僕にとってのハイスクールライフとは、部活の仲間達とバカやったり、クラスの仲間達とバカやったりという事でしたから、ハイスクールライフに専念すればするほど女性から離れてしまうという、いかんともしがたい状況でした。

ですから、学生時代の恋愛の思い出なんてものはないんです。


――と終わってしまっては、あんまりにもあんまりですので、もう少し突っ込んで話しますと、高校二年の終わり頃に、人生初の恋人という存在が出来たりもしました。もちろん、ちゃんとした「人間」です。

課外活動でいくつかの高校が集まってディスカッションをしたりするようなイベントがあったのですが、彼女とはそこで出会い、女性が怖くて仕方なかった僕も「話し合う」という趣旨の活動ですから話さざるを得ず、数十分の間、表面的には平静を装いながらも精神的には息も絶え絶え、冷や汗の海に溺れながらといった感じで話し合った結果――惚れました(えー)


出会ったのは夏、そして告白したのはその年の明けた新年会でのことだったと思います。それからいくつかのカップル同士のイベントやら通過儀礼やらを通り過ぎて、それは素敵に幸せな時間を過ごしましたが、受験を境に距離が出来てしまい、高校卒業・大学入学をきっかけに別れることになってしまいました。

今のようにケータイやらなんやらの通信手段があれば、まだ事態はかわっていたのかもしれませんが、当時は未だそんな便利なアイテムはひろまっておらず、あっても月額使用量などが高すぎて、とても手の出る代物ではなかったんです。

だから、お互いに会えなくなる、電話なんかも微妙という状況は、精神的に不安定になる受験期にあっては、まさに致命的な状況だったのでしょう。唐突に切り出された別れ話でしたが、原因を突き詰めて考えてみれば、なんのことはない自業自得的な別れでした。

また彼女は志望校に合格せず浪人することになり、僕は進学を決めてしまったという事も、要因の一つだったと思います。


しかも大学入学後に、僕はそれまで住んでいた場所を引っ越してしまったので、連絡のとりようもなく、彼女とは今後の人生で二度とクロスすることはないのだろうなんてセンチメンタルを気取っていたのですが、その数ヶ月後に友人を介して再会。

色々と話し合った結果、彼女でもなく彼氏でもなくといった微妙な距離の関係を保ちながら、ただひたすらに彼女の受験勉強やら愚痴やらに付き合うという日々が始まりました。彼氏彼女という恋人同士ではなく、友達として。それはナルシスティックな言い方をすれば、贖罪の日々でした。

というのも、彼女の明かした別れの理由というのが、このまま一緒にいてはどうしても甘えてしまうから、受験勉強に集中するということで会えないぐらいでダメになるようでは、どうしようもないから、だから自分を律するためにも、新生活に踏み出した僕の負担にならないためにも別れようと思ったという事だったんです。

ひょっとしたら後付の理由だったのかもしれません。でも、その当時の僕は彼女の選んだ選択肢があまりにも切なくて、そんな事に全く気づかず、別れ話を持ち出した彼女を怨んでさえいた自分を恥ずかしく思いました。

だから僕は、彼女が志望校に合格するまで、徹底的に付き合うことにしたんです。自分の「もう一度やり直したい」という気持ちはひた隠しにして、合格して春が来たら、ちゃんと云おうと、それだけを願って。


翌春、彼女は無事に合格しました。ですが、その春から家族の転勤が決まり、彼女は一人暮らしをすることに。それまでの実家からなら通えない距離ではなかったのですが、一人暮らしをするとなれば話は別。学校の側で、ということになります。

通えない距離ではない=大した距離でもないのですが、移動手段を持たない、その当時の僕にとっては、耐えることが出来ない距離でした。

だから僕は結局気持ちを明かさないまま、向こうも何かを云いかけたまま、見送りもせずに引っ越しの日を迎えてしまったんです。

そして僕はその日一日を、すべてを話していた大学の友人の下宿に転がり込んで、日本酒の瓶を抱えたまま毛布を被ってゴロゴロして、色々な感情が通り過ぎるのを、ただただ待っていました。


自分が弱くて、結局どうすることも出来なかった、おそらく僕の人生での最初の恋は、こうして終わりを迎えました。

非常に若かったというか青かったというか、そんな感じの恋愛でしたが、楽しさも寂しさも幸せも辛さも、すべてを体験出来た、そんな経験だったと思っています。

彼女からはそれからも時々手紙が届きましたし、毎年年賀状も届いていました。情けない話ではありますが、大学を卒業してしばらくするまで、どこかでこの恋愛の記憶を引きずっていたような気がします。

最後に受け取った年賀状は、数年前。間に2・3年の空白があってから届いたものでした。その年賀ハガキには、その春に結婚することになったという事、そして東北のある町へ行くことになったという事が書かれていました。丁寧な「よそ行き」の文字で。


この最後のメッセージを受け取って、ようやく僕の中に「ちゃんと終われた」という安堵とも寂寥ともなんとも云えない感情が腰を下ろしてくれました。

別れてからそれまでの間に、いくつかの恋愛もしていたのに、随分と図々しい話ではありますが、初恋っていうのはやっぱり特別なものなんだなぁなんて思ったことを、よく覚えています。


だから今でも、こうして年賀状が届く時期になると「元気でやっているかな」なんて、なんとなく雪降る東北の町の正月の景色を思い浮かべたりします。でも、そこにいる彼女の姿は、未だブレザーの上にコートを着て、マフラーを巻いている姿なんですけどね。
てなわけで、あんまり愉快な恋愛話でなくてごめんなさい。でも、ちょっとタイムリーな御題だったので、長々と書いてみました。てなわけで、一発目終了。

引き続き連続更新の内容について「御題」を募集します。こちらから、書いて欲しい御題をボンボン投稿してください。

『〜県にお住まいの〜さんからの御題』と書きますので、ハンドルネームとお住まいの都道府県名は必ず明記してくださいね。書かれていない場合は、面白い御題でも、カットされちゃいますので注意です!サイトやブログ持ちの方はURLも記載しておいてくださいねー。


[ 2005年01月01日-15:43 ]  



新春連続更新2 霊的なお話 -1-


兵庫県にお住まいの鷹月さんからの御題『霊的な話』ということで、新春早々怪談話を。

以前もお話したことですが、僕は心霊現象やら怪奇現象などをビリーバーの立場からも否定派の立場からも肯定するという、一番イヤミなところに立っている人間です。

そうした現象や存在があっても不思議ではないし、いわゆる「正常な」人間同士であっても、全く同じモノを見て、全く同じには見えていないという風に考えているのです。

同じ風景を見ても気づくモノ・認識するモノが感性や感覚、注意点などで違うならば、「そういったもの」が見えたり感じたりするのも人それぞれだと思っているわけです。

代名詞をあんまり多様すると文章がゴチャゴチャになりますので改めますが、霊能力や霊感というものは、そうした個人の感性だと思っているので、その人があると思えばあるし、ないと思えばないというわけですね。

ただ、以前書いた過去の体験のように、その場に居合わせて全員が「感じた」というような事は、なんとも説明がつかない奇妙な現象として記憶に残っています。そして、このお話もそんな奇妙な思い出の一つです。


どの世代の人でも小学生のあたりの時分に『こっくりさん』や、それに類するものをやったことがあると思います。

こういうものはどうやら定期的に流行るもののようでして、姉らが同じ年頃の時期にも、『キューピッドさま』やら『分身さま』やら『エンジェルさま』など様々な亜流『こっくりさん』が流行っていたようです。

僕らの頃のそれは『星の王子様』というものでした。召喚用の魔法陣の中心が、コックリさんが鳥居の形であるのに対して、五芒星をかたどったモノであったこと、また十円玉に指を添えるのではなく、二人で指を組み合わせて鉛筆を持つというモノでした。

さらに、1〜9番目までの王子様がいて、呼び出していい王子様は限られている、という、確かそんなモノだったと思います。

これが小学校6年生の時に爆発的に流行りまして、それこそ昼休みにも2時間目が終わった後の20分休みにも、どこかの机で行われているという、ちょっと異常な光景が繰り広げられていました。


ここまではよくある話なのですが、ちょっとした問題が出来てきました。クラスの中で男女別の仲のいいグループというものが出来るのは当たり前のことですが、このグループごとの些細な諍いなども、この『星の王子様』を介して行われるようになったのです。

おそらくきっかけは「**は○○が好きですか?嫌いですか?」とか、そんなことの繰り返しだったのだと思います。ですが、それが次第にエスカレートして行き、「お告げで○○が××のことを憎んでいるって出た」だとかそういうことから、グループごとの溝は深まっていきました。

そして事件は起きました。○○グループの××が、呼び出してはいけない星の王子様を呼び出して祟られた――そんな噂が飛び交うようになったのです。


<つづく>


[ 2005年01月01日-18:41 ]  



忘年会の宴の始末。


番組の途中ですが山が動きました。


そう、先日というか晦日、つまり12月30日の事です。年内に済ませておきたい用事の大半が終わった僕は、フラリと忘年会を開催してみることにした。

場所は池袋、メンツはmixiでたまたま時間が空いていた人々。10名ばかりの参加者の中には、秋の大阪クラブイベントでお知り合いになったタライの人や、イベント自体のオーガナイザーそしてヤツがいた。

3月末をもってサイトが正式に消えるという、かつての愛…相棒。過去に遡れば弟子であり、そして遠い昔の記憶には友情という言葉もあった気がする…あの男(−_−)だ。


この日の十日ほど前、僕らとは因縁浅からぬMIZUHA氏が、タライの人とネットラジオをやったというイベントがあったりもしたのだが、兄貴氏の更新によると、このときから彼はタライの人に注目というか、目をつけていたようだ。

集合場所に集まったときから、兄貴の執拗なオフェンシブムーブが始まった。食事の会場でも堂々と隣り席を陣取る。タライの人――和治さんに対する呼び方が、敬称が略され「かずはる」となるまでに要した時間は、ものの数十分も無かっただろう。


和気藹々と食事も終わり、2件目は馴染みのBARへ。そしてそこでも兄貴氏は和治氏の隣をキープし続けた。

既に一度引退した男ではある。だがアルコールの勢いも手伝ってか、彼は猛攻を加え続けた。そして和治氏のシンデレラタイムが訪れると、何の違和感もなく彼もまた席を立ち、チェックを済ませた。

そして二人共だって店を出る。見送る僕を怯えた表情で振り返る和治氏、そして兄貴氏は僕の隣を通り過ぎざま、呟くようにこういった。

「明けて新年…最後の花火を打ち上げる前に、前菜にタライというのもいいかもしれないな…(−_−)」

と。


そして帰宅後、和治氏のサイトはトップページのイラストが

こんな風になってしまっており。

(制作:あと3cm。/たおち嬢


兄貴氏は兄貴氏で、『タライを食しました。』というとんでもない更新をしていた。僕らと別れた後の彼らがどのような展開を迎えたのか、否、和治氏がどんなことをされたのかという点についてはこれ以上語るまでもないだろう。


ただ、一つ確実に云えることがある。一度は引退し、そして最後の花を咲かせる為に動き出したヤツ(−_−)は今、現役以上のパワーを備えている、と。もちろん、それが燃え尽きる寸前の蝋燭が放つ鮮やかな炎なのかは別の問題としてだが。

現在絶好調の人気サイト管理人をあっさりと平らげ、そして正月を迎えた今、彼は今メインディッシュに取りかかっている。



――『炎多留2 魂』リアルタイムレビュー。



君よ「なにを今更」などと云うことなかれ。

彼は本気なのだ。



これは多くの伝説を残してきた漢・兄貴氏の

そのすべてを締めくくる彼なりのフィナーレ、否、その序曲なのだ。



繰り返す、彼は本気なのだ。



どうか、どうか諸君。

彼の生き様を見届けてやって欲しい。





僕は笑点スペシャルの録画見て寝ます。
(仕事しながらテレビっ子三昧の正月も今日まで…)



[ 2005年01月02日-22:44 ]  



新春連続更新2 霊的なお話 -2-


【前回】http://g-labo.to/log/2005/200501011841.html
呼び出してはいけない『王子様』。それは2番目、4番目、9番目という、極めてわかりやすいナンバーを持った『王子様』達でした。

本当に大流行していましたから、クラス中のグループで休み時間や放課後に呼び出しては、様々な『お告げ』をききます。いくつもの魔法陣で呼び出しているわけですから、ひょっとしたら同じ番号の王子様を呼んでしまうかもしれないというおそれもあるわけです。

ですから、同じ教室内で魔法陣を書いて呼び出す場合は、他のグループに「今何番目呼び出してる?」と訪ねてから、あいている番号の王子様を呼び出す、というのがルールになっていました。

そうはいっても他のクラスでも流行っていたわけですから、同時に呼び出されている可能性もあったのですが、そのあたりはさすがの小学生知能といったところでしょうか。それとも最もらしいエクスキューズがあったのかもしれません。


ところがグループごとの溝が深まっていっていたものですから、他の『呼び出し』中のグループに声をかけずに、好き勝手に呼び出すグループがあったのです。

しばらくはそのグループも放置されていたのですが、ある日を境に突然そのグループが星の王子様を一切やらなくなってから、奇妙な噂が立ち始めました。

他のグループが呼び出しているにも関わらず、そのグループが呼び出した王子様は、呼び出していい王子様ではなく、他のナンバーの王子様を騙った『4番目の王子様』だったと。そして彼らは怖くなって、やらなくなったんだ、と。そういう噂でした。

しかし数日の内に、噂はより具体性を増してきました。一通りの質問を終えて、「ありがとうございました、おかえりください」といっても、召喚役の二人の手に握られた鉛筆は魔法陣の「いいえ」を繰り返しなぞったというのです。

さらには次いで五十音表の「い・や・だ」を繰り返し囲み、遂には召喚役の子が泣き出してしまって鉛筆を離してしまい、ちゃんと帰ってもらわなかったので、祟られた――そんな「いかにも」具体的な話になっていったのです。


こうした「おまじない」は、女子が中心になっていましたから、僕らは彼女達からの伝聞でしか、そうした話を知り得ませんでしたから、ひょっとしたら裏ではもっと色々な事があったのかもしれません。

というのも、それからまた数日もしない内に、その『4番目の王子様』に帰ってもらえなかったグループの中心だった女の子が、学校を休みだしたのです。

「裏ではもっと色々なことが」と書きましたが、具体的に云いますと、噂が噂を呼び、憶測が憶測を呼んだ末に、「あんた達祟られてるんだから」とかなんとかいう、いじめがあったりして、それを苦にして休んだのではないかと、今となっては考えられるからなのですが、そのときはただただ「祟られたんだ」という噂と憶測に肉付けをしてしまうだけの材料でしかありませんでした。


<つづく>


[ 2005年01月04日-23:35 ]  



新春連続更新2 霊的なお話 -3-


【第1回】http://g-labo.to/log/2005/200501011841.html
【第2回】http://g-labo.to/log/2005/200501042335.html

普通ならば、そこで怖くなってやめるか、興醒めしてやめるか、そのいずれかの選択をするような出来事だったのでしょう。

それにあまりにもクラス中で流行っていることや、そういう諍い的なことも考えての事でしょうが、担任の教師から「今後『星の王子様』は禁止にします」というような話もあったりして、いくらでも離れていくべき材料もあったのです。

ですが、僕らのグループは離れるどころか、よりのめりこんでいきました。それは祟られたというグループと対立していたグループ、そしてそれらを第三者的立場から見ているグループだったからかもしれません。


僕らは学校での『星の王子様』が禁止されると、その場所を放課後の市立図書館へと移しました。


――先生や大人達は、この状況がわかっていない。呼び出さなければ済むという問題じゃないんだ。なんとかしないといけない。最後までちゃんとやらないといけないんだ。


僕たちは、そんな使命感に駆られていたんです。


今の年齢になって客観的にみれば、そのときのクラス内は明らかに集団ヒステリーの状態にありました。先生や親から禁止されたということは、それだけで「子供の遊び」の領域を脱してしまい、「本当に危ないこと」なのだという認識にしか結びつかないからです。

現代に至っても「おはらい」や「おきよめ」があること、科学研究所を建てる時さえ、地鎮祭を執り行うこと、これらは謎や恐怖をそのままにせず、成り行きのその方法の延長線上で解決する。それこそが最大の解決であり、それを乗り越えることで克服する。理由付けをして解決し、安心する。

つまり心霊関係を信じる信じないという意味だけではない「憑き物を落とす」行為。僕らの行動は、まさにそれであり、子供ながらに、いや子供だからこその判断ですが、決して間違いではなかったと思います。


市立図書館の読書スペースの一角が、それから僕らのたまり場になりました。念のため、みんな清め塩やら、魔除けのお守りやら、中には護符や御札やら、経文を持ってくるヤツもいました。子供なりに、自分たちを守る術を考えるだけ考えたのです。

そして呼び出していい番号の星の王子様を呼び出しては、なぜこのようなことになったのか、そして祟っている王子様は具体的になんなのか、どうすればよいのかという対策などを聞き出してはメモをとり、相談しました。

呼び出していい星の王子様も、人間関係(?)や力関係があるようで、7番目の王子様などの「善い」王子様たちが、4番目の「悪い」王子様を抑え込んでいるはずだったのが、7番目を何人もが呼び出すので、その間に4番目が抜け出して、彼らのグループに召喚されているのだということ、そして一度取り憑かれると、なかなか祓うのが難しいとのことなどがわかってきました。

そして対策としては、全ての王子様達から4番目の王子様の「名前」と「正体」を聞き出し、そして祓うしかない――そういう結論が出たのです。

しかしその為には他の2番目や9番目の「呼び出してはいけない」王子様も呼び出さなくてはいけない、そんなことをして大丈夫なのかという事なども、もちろん話題にあがりました。

すると7番目の星の王子様や1番目の星の王子様達は、僕らに好意的というか味方をしてくれているらしく、グループのメンバーそれぞれが「守護霊が守ってくれているから大丈夫」というようなメッセージを出してくれました。


王子様達を呼び出す役の二人は、大体同じ女子だったのですが、彼女たち二人が「お話」を考えていたにしては、話はあまりにもふくらみ過ぎました。第一他にも何人かが一緒になってやっていたわけですから、統一性のある話が出来上がるわけもありません。

そしてこの「それぞれの守護霊」の話題になったときに、実に不思議な出来事が起きたのです。これまでの長い前置きは、全てこの出来事の不思議さを伝える為の舞台装置でしかありません。

ここまでの状況が大体読み取れている皆さんは、集団催眠状態や集団ヒステリーという言葉や、呼び出し役の女の子の創作という事で片づけられると思われることでしょう。事実、それまでのことはその通りだったかもしれません。

ですが、このときの不思議さは、ちょっと不可解でした。


「それぞれの守護霊」という言葉が出たとき、僕らは色めき立ちました。コックリさんもどきをやっているくらいですから、そうした物事には至極敏感ですし興味もあります。どんな守護霊がついているのか、皆気になるわけです。

まず呼び出し役の女の子二人には、それぞれ亡くなった親類や御先祖が守護しているという話になり、非常に強く守られているので心配がないというお告げが出ました。他のメンバーも大概は亡くなった祖父祖母や御先祖で、僕も先年の春に亡くなった父方の祖父と、遠い御先祖がしっかり守護してくれているとのことでした。

実は、このときから少し不思議ではあったのです。というのも呼び出し役の子と僕は同じグループにはいたものの、さほど仲が良かったわけではなく、父方の祖父が亡くなっているということを知っているとは思えなかったのです。しかも一人は6年生の春に転入してきた子でしたから、余計に知るわけもありません。

ですが、彼女らが呼び出した王子様は、正確に「お・じ・い・さ・ん/それは母方ですか?/いいえ/父方ですか?/はい」と、鉛筆を這わせたのです。他に近しい親戚や祖父祖母が守護していると告げられたメンバー達も、不思議に思ったかもしれません。しかし僕たちは、「お告げ」を疑っている立場なら、微妙に説明がつかないこの状況をすっかり受け入れていました。

そしてもう一人、その年に転入してきた女の子、一応仮名にしておきますが、西岡理恵さんの守護霊の話になったときに、その不思議さはいっそう増したのです。


王子様の「お告げ」は五十音を正確に「お・と・う・さ・ん」となぞりました。それを見た僕は「なんでお父さんなんだろう?」と思ったのです。まだ子どもで、母子家庭という存在を身近にしたことがなかったので、普通に疑問に思ってしまったのです。

ですが西岡さんは、その「お告げ」を見て突然泣き出したのです。そして「お父さん、お父さん」としゃくり上げながら繰り返し、それから一昨年前にお父さんを亡くしていることを話したのです。これには全員驚き、そして呼び出し役の二人の子も、驚いた顔をしていました。

当時のクラスメイトの付き合いレベルでは、よっぽど仲が良くてお互いの家を行き来するほどでなければ、家庭環境を知ることなどありませんでした。それに西岡さんは転入生ですから、この「星の王子様」という機会で、ようやくうち解け始めていたような、そんな状態だったので、なおさらにそんな家庭環境のことを知ることもなかったのです。


不思議な興奮が場を包み込んで、もらい泣きをしている女の子もいる中、誰かが「西岡さん、お父さんと話せないかな」というような事を言い出しました。その頃には、呼び出した王子様に、何番目の王子様と変わってもらう、とかそういうことまでコントロール出来るようになっていたのです。

そこで呼び出し役の子が、「西岡さんのお父さんに、この紙と鉛筆に降りてきてもらうことは出来ますか?」と聞くと、鉛筆は「はい」を丁寧に包み、それから☆印の中央に戻りました。

そして、しばらくの沈黙の後で「西岡さんのお父さん、いらっしゃっていますか?いらっしゃっているなら、はいを、違うならいいえを囲んでください」と尋ねると、二人の呼び出し役の子が握った鉛筆はゆっくりと紙の上を動き始め、「はい」を囲み、☆印の中央に戻ります。

続いて「来てくださってありがとうございます。あなたが西岡さんのお父さんでしたら、西岡さんに何か伝えたいことがありますか?」と問うと、再び「はい」へと鉛筆が動き、そして二度繰り返して○で囲んだのです。

全員が固唾を飲んで見守り、泣きやみ少し落ち着いた様子の西岡さんもじっと見つめる中、鉛筆はぎこちなく五十音表を動きました。


「い・つ・も・み・ま・も・っ・て・い・る・か・ら」


「ま・ま・と・な・か・よ・く・ね」


ここまでは非常にありきたりなメッセージですし、仮に呼び出し役の子が動かしていたとしても、思いつくレベルの内容でした。ですが引き続き


「げ・ん・き・で・い・て・ね」


と囲み、最後に



「り・っ・ち・ゃ・ん」



と囲んでから、鉛筆はゆっくりと☆印の中央に戻りました。

そしてそれを見て西岡さんは再び泣き出したのです。そして泣きながら「お父さんだよ、本当に、間違いない。だってお父さんしか私のこと『りっちゃん』って呼ばないもん」と云いました。

それを聞いた僕らは一様に驚きました。西岡さんの名前は「理恵」であり「りっちゃん」という呼び名は、あまり一般的ではありません。「りえちゃん」や「りえ」といったところが一般的な呼び名ではないでしょうか。

もちろん前述したとおり、「西岡理恵」さんという名前は仮名ですから、実際はもう少し違う名前で「普通そうは呼ばないだろう」という呼び方で最後を結んだわけなのですが、いずれにせよ西岡さんの亡くなったお父さんが彼女を呼ぶ際の呼び方で、他にその呼び方をする人はいないということだったのです。

他にもお母さんの事を「まま」と表現したりと、偶然にしてはあまりにも符号する点が多く、ましてやグループの誰も西岡さんのお父さん・お母さんに会ったことはないし、家に遊びに行ったこともなく、女子同士も「りえちゃん」と呼んでいましたから、まさに「ありえない」出来事だったのです。

この不思議に奇妙な出来事に、僕らは驚き、そしてもらい泣きなのかムードにおされたのか、その場にいた誰もが涙を流しました。そしてあたたかい気持ちになって、西岡さんに「よかったね」と繰り返しました――。


集団催眠や集団ヒステリーという言葉で表すにしても、納得のいかない奇妙な空間が、確かにあの瞬間にはありました。

ひょっとしたら何十回、いや百回以上かもしれないほど繰り返した『星の王子様』という一種の降霊術の中で、あのときだけ「本物」が降りてきたのかもしれません。そんな風に思えるほどに。


もちろん西岡さんがお父さんを亡くしていて母子家庭であるということも、「家族にはりっちゃんて呼ばれてるの」という言葉を聞き出したりしていたのではないかということも、疑ってかかればキリがありません。

ですが当時の僕が知る限り、そんな事実はありませんでしたし、今考えてもあの瞬間だけは説明がつかない不可思議な出来事として記憶されているのです。

もちろん、そうしておいた方が何となく素敵だから、という単純な気持ちが作用していることは否めませんが――。


<あとがきへ>


[ 2005年01月06日-17:53 ]  



新春連続更新2 霊的なお話 -あとがき-


【第1回】http://g-labo.to/log/2005/200501011841.html
【第2回】http://g-labo.to/log/2005/200501042335.html
【第3回】http://g-labo.to/log/2005/200501061753.html

さて、この話は実はここで終わります。というのも主題である不思議な体験を既に語ってしまったということが一点、そしてここから先の出来事は、あまり詳細に覚えていないというか、ところどころ記憶が消えてしまっているのです。

うろ覚えながら箇条書きのようにまとめてみますと、こんな流れだったと思います。


・呼び出してはいけない『星の王子様』は2・4・9番目。
・王子様達にも力関係があり、4番目が最も強い力を持っている。
・普段は7番目の王子様が4番目を抑え込んでいるのだが、同じ場所で同じ時間に呼び出された為、4番目が成り代わって呼び出され、その為に祟られているという。
・祓う方法は、王子様達の正体(動物の場合)か名前(人間の霊の場合)を知り、その名を用いて、帰るように命令すること。
・2番目、9番目はそれぞれ動物霊だった。
・4番目は人間の子どもの霊。水子ではないかという話になる。
・名前はわからない、どの王子様もその名を語らない。
・やがて1〜9までの「王子様」だと思っていたのが、十番目の王子様がいるということがわかる。
・十番目の王子様は、全ての「王子様」を統べる存在で、正体はなんと大天狗という。
・十番目の王子様を呼び出す方法を数人の王子様から「お告げ」で指示される。
・お清めの方法、魔法陣の書き方、呼び出す方法など、それまでの書き方と大きく違った。
・中央の五芒星が六芒星だったりとか、そのようなこともあった気がする。
・いよいよ十番目の王子様を呼び出す。
・意外とフランクに色々な事を教えてくれる大天狗様。
・そしていよいよ話は核心へ。4番目の星の王子様の正体と名前を知る。
・4番目の星の王子様の正体は先ほども書いたとおり人間の子どもの霊。
・随分と強い“力”を持った子だったらしい。貞子か。
・名前は漢字の記述は不明だが「あかひと」というらしい。
・漢字がわからないのは、漢字を理解する歳になる前に亡くなったからだとか。
・そして、名前を知ったところで十番目の王子様が4番目の王子様を呼び出す。
・清め塩を魔法陣の上に配置し、調伏開始。
・無事完了。


と、こんな具合でした。これがほんの数日の放課後の間に行われた事というのが非常に印象的ではありました。本当に短い「熱狂的」なオカルティックな想い出なのです。


ただ話には続きがあって、何度も色々な王子様や霊を呼び出したせいで、僕ら自身が霊を引き寄せやすい身体になっているとかそういうお告げが出たりしたのです。

しかもこの近郊に霊が呼び出されるポイント、いわば「霊道」のようなものがあって、それが開いてしまっている状態になっているから、それを塞ぐ事で対応するしかないというお告げでした。

そしてその場所は、その近郊では有名な心霊スポットで、その場所にある大きな木の下にあるということまで「お告げ」はいいました。目に見える穴ではなく、霊的な穴なのだと。そこにいって封印をしなければならない、と。


しかしこの「お告げ」を受けたのが、僕の参加した最後の回になりました。“事件”は解決していましたし、それ以上の事は僕はしたくなかった、いや、簡単にいってしまえば怖くなったのです。

呼び出す側だった僕ら、その「お告げ」のままに道具なんかは準備したものの、その場所は僕らの支配下にありました。それはオカルト的なゲームの領域を出ていなかったのです。

ですが、その「お告げ」に従って自分たちが直接場所を移して何らかの行動をするというのは、立場が逆転しすぎてしまっていて、その通りに動いてしまうことは、なにか僕の中では「一線を越える」事だったのです。

だから僕は行きませんでした。行かなかったので、その後の話は知らないのです。残りのメンバーが、そのスポットに行ったのかも、そこでどういうことが起きたのかも。

ですが、この事件の後、「星の王子様」の話題も、あの不思議な出来事の話も誰もしなくなり、流行も自然と廃れてゆき、休んでいた子も割合早く学校に戻ってきました。

彼らが休んでいた理由は流行性感冒、インフルエンザだったということだけが伝わって来ましたが、卒業まで彼らと親しく話すことはなく、中学もバラバラになってしまったので、事の真偽、たとえば彼らがいじめにあっていたのか、それとも別の理由だったのか、本当にインフルエンザだったのか、というようなこともわからずじまいでした。


これで僕の体験した霊的な話、というよりは不思議な出来事の話は全て終わりになります。いずれもう少ししっかりとした形でこの経験を書き起こしたいのですが、いかんせん曖昧な記憶が多すぎて、どうにも筆が進みません。

これだけ印象的な出来事だったのにも関わらず、記憶が曖昧というのもおかしな話なのですが、それは、ひょっとしたら結末を見届けずに最後に逃げ出してしまったことが、心のどこかに引っかかっているのからなのかもしれません。

当時の友人達、同じグループだったメンバーと話をしてみたい。この記事を書きながら、そんなことを強く思いました。ですが残念なことに高校卒業以降、特定の友人以外とは一切連絡を絶ったまま引っ越してしまった僕には同窓会の機会もありません。

同級生ですから、今ではみんな三十歳手前になっているはず。僕は何の因果かフリーライターなんていう職業について、ガキの気分が抜けないままに好き勝手にやっていますが、多くの人は子どももいるし家庭もあるでしょう。

あのときの少年少女達の面影や、あの不可思議な出来事の記憶を彼らが残しているかどうかはわかりませんが、それでも会って話がしてみたい、そう強く思っています。


ノムラくん。アゼタくん。ナガイさん。ノグチさん。

同じ中学に進学したけど疎遠になってしまった友人、そして卒業と同時にまた引っ越してしまった友人もいます。昭和50年から51年3月までの生まれで、浦和市立常盤小学校で小学校5・6年生を過ごし、線路をまたいだ市立図書館で「星の王子様」をやった仲間達。

今、みんなはどうしていますか?僕は見る影もなく太ってしまったりしたけれど、そこそこ元気で、バカな事をやって日々を過ごしています。

もしこの記事が、当時の仲間達の関係者の誰かに伝わって連絡が取れれば、こんなに嬉しいことはありません。もし、この記事を見たら、どうか連絡を下さい――なんて書いてはみたけれど、これで連絡が来たりしたら、それこそ本当に奇跡だし不思議な出来事ですよね(笑)。


くだらない想い出語りに長々とお付き合いありがとうございました。次回からいつも通りのペースに戻ります。


[ 2005年01月07日-05:37 ]  



新春連続更新3 想い出に残っている旅の話


大阪府にお住まいのJFKさんからの御題。『想い出に残っている旅の話』です。
もう十年近く前になる。僕はインドネシアのバリ島にいた。2度目のバリ島へは姉弟だけで来ることになってしまい、僕は「ねーちゃん達は俺が守らねば!大体リゾートというのはイカレポンチだとかウカレポンチだとか、そういう浮ついた輩が多いし、そもそもバリ島も最近では治安があんまりノーグッドらしいアルネ!寄らば斬る!寄らなくても殴る!どっからでもダヴァイッ!」などと、日中露混ざった気合いの入れ方で、妙に気を張っていたことを覚えている。

以前にこの島を家族で訪れたときは、ツアープランに従って観光ルートをだらだらと移動したりするだけの旅行だったが、今回は違った。二つの土地に何泊かしながら自由に動き回り、自由に歩き回る事が出来るのだ。

姉らと別行動をしていれば、それは全くの自由な時間だった。なにしろ誰も僕を知らないし、当たり前の事ながら言葉も通じないのだから。


山間の村であるウブドは「芸術の村」なんて呼ばれている。リゾートというには少々無理があるこの村では相当山奥の宿に泊まることになっていた。移動手段はレンタルサイクルだけだ。だから僕は連日、当時からしても20年くらい前の日本の田舎を彷彿とさせるような風景の中を汗だくになりながら走り回った。

アップダウンの激しい道を自転車で走り回るのは面白かった。地図と光景を記憶にたたき込むだけのナビゲーション。わからなくなったらタクシーに自転車ごと乗せてもらってホテルの名前をいえばいいなんて、そんな楽観的な考え方でいた。今考えるとホテルの名前を伝えるだけの英語力にも乏しいくせに、若さ以外の何者でもない行動力だ。

田舎は田舎でも、さすがは「芸術の村」。中心部に向かうと、バティックと呼ばれる腰巻き用の布を扱う店やら銀細工の店やら、この島の魅力に取り憑かれた芸術家やら創作家やらのギャラリーがいくつもある。王宮では伝統舞踊の練習をしている少女達を見ることが出来たし、少年達はガムラン音楽の練習をしていた。

そんな中を自転車にまたがってウロチョロしては覗き見しつつ、喉が渇いたら現地のビンタンビールを煽る。観光客相手のタクシーの運転手などに「ドコイキマスカ?」と声をかけられれば、ホテルのお兄ちゃんに教えてもらった「ジャランジャラン(散歩だよ)」と笑って返す。それを聞いて向こうも笑う。半分小馬鹿にしているのかもしれないが、それでもまぁよかった。


そんなウブド滞在何日目かのこと。バリヒンドゥーという少々特殊な宗教を持つこの島には、ヒンドゥーの神様の絵が多くあることを知った。もちろんヒンドゥーの神様や伝説の場面をモチーフにした絵を扱っている芸術家もいるし、土産物のポストカードやポスターも売っている。

だけど僕が欲しかったのはそういう「芸術的価値」だのなんだのがあるものではなく、現地の人が祭壇に飾るような、そういう質素だが実のある絵だ。逆にいえば、そういう絵ならば、仮にプリントされたものだろうがなんでもよかった。

つたない英語でホテルの従業員のおねえさんに聞くと、なんでそんなものを欲しがるのか不思議がられたが、そういう絵は観光客用の土産物屋などには絶対に売っておらず、市場(パサールウブド)の中で扱っているとの話を聞いた。


それから僕は毎日パサールにいりびたった。線香や香の匂い、野菜や果物の匂い、そして人の汗のにおいや、布の匂い、書物の匂いなどが混ざった空間。

白い2階建て木造の建物は、観光客の日本人もいたが、それらは外周の観光客目当ての店ばかりで、内側の店や広場、奥深いところに行くと全くと言っていいほど姿を見なくなった。

奥に入れば入るほど、さまざまな匂いはますます強くなる。僕はなにか、どこか違う場所に迷い込んでしまったような感覚に襲われながら、「エクスキューズミードゥユハブピクチャーオブサラスヴァティ」と繰り返した。サラスヴァティ。それが僕の欲した神様の名前だった。

民族舞踊用の面や衣装などを扱っている店や、お参り用の香などをおいてある、いかにもそういう絵もありそうな店を覗きこんでは、同じセリフを繰り返す。表通りに面した店では、英語が堪能なおばちゃんらも多いのだが、奥に入れば入るほどお互いの言葉が怪しくなる。いや僕の英語はそもそもが怪しいのだが。

すると、そのうち僕の周りには何人ものバリ人おばちゃんが集まってきて、僕を囲んで口々に何かを話し合っているようだった。どうやら「このデブい日本人は何をほしがっているの?」というような事を話し合っているようだった。

しばらくすると奥の方からバリ島では珍しいでっぷりとしたおばちゃんが出てきて、そこそこ流ちょうな英語で「サラスヴァティの絵が欲しいの?」と僕に問いかけてきた。

以下は僕の怪しげにズタボロな英語と、おばちゃんの流ちょうな英語のやりとりである。

「そうダス。オラ、サラスヴァティっちゅう女神の絵が欲しいんダスね」

「ハガキじゃだめなの?」

「いんや、おみやげ(gift)にする気はねえんダスのこと」

「なににつかうの?もってかえって売るの?」

「バカこくでねえズラネ!オラの部屋に飾るのコトダス!」

「飾ってどうするの?」

「あんたそったらこといってまー…アレダスよ、絵に祈るアルネ(拝むという言葉がわからなかったのでprayをつかった)」

「あははは、あなたヒンズー教徒なの?」

「いんや違うダス。オラぁ仏教徒だどのコトネ」

「じゃあなんでサラスヴァティが欲しいの?あなた日本人よね?」

「そだあ、オラ日本人ダス。ほんで仏教徒ダス。んだがヨ、日本人は仏様(buddha)以外にも神様にもお参りするのコトネ。んでオラが国じゃあ、はー彼女…サラスヴァティはえらい有名な神様なんダス。ベリーフェイマスゴッデスのコトネ」

「そうなの?」

「んだ。彼女はオラが国じゃあ弁財天と呼ばれとるのコトネ。音楽と知識(knowledge)の神様なんダスよ」

「そうなの!バリ島ではサラスヴァティは学生の神様で、お祭りもあるのよ」

「おんやまあ!オラも学生だべさのコトネ!オラあ彼女が好きなんダスよ。そんだから彼女の絵が欲しいのことアルネ」

「よっぽど彼女が好きなのね(笑)、ちょっと待ってて」


と、多分こんな感じである。

ちなみにオーストラリアなどからの観光客も多いバリ島では、近年小学校3年生から英語教育が行われている。おまけに観光産業で成り立っている土地だから、大概の人が英語を話せるのだ。おそらくは多くの日本人よりも流ちょうに。そして少なくとも、当然のこと僕よりは流暢に、である。

さて、そんな通じているんだか通じていないんだかわからないような会話の後、しばらくしてバリ人おばちゃんが持ってきたのは20cm×80cmほどの大きさの2枚の絵だった。舞うサラスヴァティと、孔雀にのったサラスヴァティ。どちらも水彩の絵で、ちょっと変わった材質の紙に描かれていた。

僕は大喜びでその2枚を買い求めて、ありがとうありがとうと繰り返した。バリ人おばちゃんは大笑いしながら「ここで20年以上商売してるけど、こんな絵を欲しがったのはあなただけよ」と云い、それを聞いて僕も笑い、周りに集まっていたバリ人おばちゃんズも大笑いした。


帰国後、その絵の一枚は日本画を趣味にしている祖父に軸装してもらい、一枚はアクリル板に挟んで部屋に飾っておいた。しかし数年すると、アクリル板がヘタってしまい、間からずり落ちるようにして、僕の女神は傾いてしまった。

以来、僕の部屋には空のアクリル板だけが残って壁に吊してあるという、かなり寂しい状態になったままでいる。絵は別にしまってあるのだが、近いうちにそれを飾り直そうと思っている。今度は両面テープを貼って傾かないようにして。


バリ人おばちゃんとの会話にも出てきているがサラスヴァティとは、日本で云うところの七福神の弁財天のこと。関東では神奈川県藤沢市の江ノ島が有名だろう。どういうわけか嫉妬深い神様としても知られ、カップルでお参りに行こうモノなら、破局間違いなしともいわれ、逆縁結びの神様としても信仰されたりしている。

もともとはヒンドゥー教の神様であり、ブラフマーの妻で、ラクシュミー、ドゥルガとあわせてヒンドゥー教の三女神の一柱でもある。インドの弦楽器ヴィーナーを手にした姿から芸術と智慧の神とされているが、元はインダス川流域の文明を繁栄させた、今は失われた大河の名前でもあり、河の神様であった。





ちなみに、サラスヴァティはサラスワティとも発音する。僕が見知らぬ異国でつたない英語を駆使しながらも絵を探すほど、この女神の存在に傾倒したのはカクテルソフトのエロゲー『きゃんきゃんバニープルミエール/エクストラ』が原点であることは云うまでもない。ちなみにドラマCDのCVは椎名へきる。きゃるる〜ん☆なのだ。
(果てしなく台無し)

「鎌倉の江ノ島」とありましたが、文中訂正しました。JIMMYさんありがとうございました。


[ 2005年01月08日-10:16 ]  



それでは新玉ってご挨拶。


年越しから新春連続更新のハズが、酒に呑まれ、仕事に追われで全然連続でなかったり、軽い気持ちで書き出したテーマが妙に長くなってしまったりと、しょっぱなから相変わらずのグダグダっぷりですが、多分今年もずっとこんな感じです

まぁそんな不吉な事をいいつつも、昨年一年は雌伏の年。大きなイベントもやらず、イベントといえばゲスト参戦させてもらったっくらいのものでしたが、今年はバシバシやっていきます。オンライン・オフライン問わず企画をバシバシっとね。ええ。

とまぁそんなわけでして、更新も通常ペースに戻しつつ、時期は外してしまいましたが、ここいらで新玉(あらたま)って、新春のご挨拶をば。



あけましておめでとうございます。
本年もいっそう精進してまいりますので
よろしくご贔屓の程、お願い申し上げます。



北茨城の海岸にてダニエル初め。



と。そんなわけで近況なんですが、年末進行からそのまま正月進行だとか成人式進行だとか土着信仰だとか自然崇拝だとかそういうものにおされまくりの圧迫されまくりで、とにもかくにも身動きとれずって感じでございます。

それもこれもここ一週間を乗り越えればなんとかなる、いや何とかなって欲しいと願いつつの日々なわけですが、年明け早々から下の姉が帰省していたりもしたんですよ。


んで。下の姉といえば、昨年八月に女児を誕生したばかりでして、当然帰省のオプションとして姪っ子も着いてきたわけです。

ちなみに上記リンク先に書いてあるとおり姪っ子の名前は「有咲(ありさ)となったわけなのですが、出産直後の帰省の際には上記の記事を読んだ姉が「なにあんた人の子どものことネタにしてんのよッ!」と、齢二十八のヒゲヅラの熊を叱り飛ばすという素敵な珍事もあったりしました。えーと、サイトバレってなんのことですかね。

で、そんなくだらない話はともかくとして。我が家に久しぶりにやってきた「あーちゃん」は、4ヶ月ですっかり首もすわっており、ぷくぷく太ってまーもーなんつーかアレだ。喰いたいくらいかわいい(誰か猟友会に電話だ!)。もう叔父バカ全開で可愛がっておりました。


姉の脅迫リクエストで、我が子の“ぱもら”を進呈したのですが、枕にしてみたり載っけてみたり乗っかってみたりと大活躍。

ひとりと一匹を並べた姿はまさに等身大なのですが、這ったり寝返りはうてないながらも動きたいさかりの姪は、“ぱもら”のしっぽを握ったり手を握ったり口をつかんだりして、挙げ句振り回して投げ飛ばすという姉そっくり豪快な一面を見せ、叔父としては将来が色々な意味で楽しみになりましたね。

しかし我が姉よ、自ら我が子の下半身を“ぱもら”に喰わせるのはどうかと思うわけですよ。叔父として弟として開発者として。あーちゃんリアクションに困ってましたがな。


それにしても自分で作ったグッズが、早くも甥なり姪なりの次の世代の遊び相手として活躍するというのは、非常に感慨深いモノです。

三歳になった甥は幼児特有の発音の未熟さを残しながらも、我が家に散乱する太々君グッズやら、パンダのぬいぐるみなどをみては「おじちゃんぱんだ!」と云ってくれますし、そういう一つ一つの事が嬉しいですね。

こうして新年早々「モノが形になる喜び」を噛み締めたりしたわけですが、ここで満足せず本年もどんどん進んでいきたいと思います!


あ、さてさて話題は変わって今年一年でやりたいイベントやら企画やらをズラっと並べてみます。



・言戯道場復活!
『学校へGO!』連載終了からも随分経って、色々なしがらみもなくなってきましたので、華々しく独自コンテンツとして復帰します。投稿期間が長く、投稿数が多いとどうにもこうにも切り回せなくなるので、色々模索中!


・文音―もね― コンテンツ化
昨年秋から始まった新企画ですが随分好感触だったので、独立コンテンツ化します。ただ「僕にどう聞こえているか」だけでは面白くないので、文音委員会を設立して、協議制で文音を作成。クイズ形式にしたいと思います。投稿も専用フォームで募集する予定!


・言語脳力楽力考査
Take It Easy!のいっぺぃ氏と共同で、一問一答形式の、脳の瞬発力と言語的“脳”力を計る、“楽”力考査を行います。オンラインでまずはテスト運用してみて、オフラインでの一斉ペーパーテストも実施予定!


・名言をつくろう
古今東西の偉人や作家の残した様々な名言・金言。歴史に名を残した人だからこそ意味があるのか?いや、言葉自体にチカラもあるのだ!というわけで、「偉人の名言っぽい」セリフやら小ネタやらをテーマやシチュエイション別に投稿を募集!名言撰を作ろう!


・合宿オフ
「オールナイトのイベントってそろそろキツい」なんていう大人な参加者の為の企画。一次会で2000円、二次会の飲みで4000円、オールナイトで2000円とかかけるなら、一泊二日のツアーにしちゃえばいいじゃないか!そして修学旅行の楽しさを今一度!というような非常にバカな企画。コレを読んだ旅行代理店の皆さん、是非メールを下さい!僕はかなり本気です。コチラから!


・ねげらを届けに三千里
先んじて発表したとおり、ねげらの当選者は東京都、高知県、北海道に決定。直接手渡しに行きますが、どうせなら季節を選んでリポートしちゃいます。授与式オフへの参加者も募集するぞ!


・美味いモノ大盛り天国『でぶなび』
体脂肪率が昨年の誕生日と比べて増えていたら即閉鎖スペシャル実施中だというのに、こんな企画をやります(笑)。都心を中心に、春九堂が直接出向いて食べてデブがデブとしてデブなりに満足したお店を紹介する企画。といっても高くて美味い、高くて多いは当たり前なので、最大のポイントはコストパフォーマンス。店舗情報も募集するぞ!


・アナタのコトをハゲマシ隊
以前からトライしてみたかった音声企画。詳細は企画が動き出してからになりますが、まずはマイクを持っていて録音出来る人を大募集するところから!一応男性限定で、ある程度の小芝居が出来る方がいいかなー。録音環境は、周囲を気にしすぎた小声ではなく、ある程度の声量で録音ができれば問題なし。長いセリフはありません。形式はこちらで指定します。ノーギャラですが、やりがいのある意味不明な企画になるはず。是非ふるってご参加下さい!応募はコチラから!


・ネットラジオレギュラー化?
これはまーそのなんだ、機材が揃って時間がとれたらってところッスかねー。


・創作も書きますデスヨ
というか既に書いてます。でもひょっとしたらコレは、別コンテンツというか別サイトまで立ち上げたりしちゃうかも。



とまぁ、ざっと並べてこんな感じです。他にもデブ服ブランド『大福熊猫』もどんどん動かしていきますし、好評だった“ぱもら&ねげら”のカバーになるような衣装もどんどん開発していきますので、そちらもお楽しみに!!



でも、来年の今頃はサイトなかったりして。
(も、もち太りが…)



[ 2005年01月11日-06:30 ]  



ミクシィーユー。<前編>


以前にも書いたとおり、僕もソーシャルネットワークサービスなるものに参加していまして、だらだらと文字通り日記を書いたり、他の誰かの日記にコメントをつけています。

ぶっちゃけこれが非常に楽しい。既にmixi中毒といっても過言ではないくらいにのめり込んでいます。とはいっても、例えば「アタシみんなと繋がってないと死んじゃう!」とかそういう話ではないんですけどね(笑)。

僕の主な用途は、メールやメッセンジャー以外で友人や知人の近況を簡単に把握できたりするということと、メッセージ機能やコメント機能での諸連絡。あとは客観視も含めた小ネタ的な出来事の草稿というかメモ置き場といったところです。あとは愚痴日記なんかですな(笑)。

で、実際どんな事を書いているかといいますと、こんな感じ。
CSのガオラをたまたまつけていたら、朝っぱらからとんでもないモノをみてしまった。

どう考えても許されないゴリ顔のおばちゃんがキャプテンハッスルみたいな格好して、エアロビしてた。しかも相当な勢いでノリノリで。

無駄なまでに筋肉ムキムキで、表情が激しい。ステップごとのフォームや動きのキレはさすがって感じなんだが、リズムにのった指示出したりする語りがもうすごい。ハッスルしまくり。ィヤェ!とかフッフー!とか当たり前だぜ?ヒュッヒュッヒュー!とかリアクションに困るんですが。これ新しい芸にできるよ。誰かやればいいのに芸人。マイケルとか。

まぁそこまではいいんだ。

そこまではいいんだが。

その例のノリノリなキャプテンハッスルなゴリ顔おばちゃんのさらにスゴイところがあってね。



髪型がツインテール。



後ろに若い子が二人やっているんだが、二人ともツインテールにしてるんだが。そこそこかわいいんだが。



背景にしかみえない。



すごいよキャプテンエアロビハッスル。朝からみていいものじゃなかったよ。しばらく固まっちゃったよ。なんでそんな野性的なカラダしてるんだよ。向かい合ったら5秒で殺されそうだよ。朝からみていいものじゃなかったよ。
これがmixiに書いたメモ書きなんですが、仮にこの小ネタを『家元のつぶやき』の記事にすると、結構かわったりするわけなんです。

基本的に、一番変わるところは文中の「言葉遣い」です。『家元のつぶやき』の記事は、エッセイ調・コラム調・創作・散文と色々な書き方をしていますが、基本は今回の記事のように話し言葉調で語りかけるスタイルをメインにしています。

勝手に名前をつけるならば、小咄調とかスタンダップコメディ調というか、そういうイメージのスタイルを目指しているわけなんですけど、なかなかうまくいかずに暗中模索といったところです。実力不足ですなー。


で、せっかくなんで推敲や調査なしで一発書きした、上の「原文」から、一応それでも推敲などを行った結果がどう変わるかってのをやってみたいと思います。

まー「冗長になっただけ」という、とんだお笑いぐさな結果になるのは目に見えているわけですが、一応結果は今夜の更新をお待ち下さい。


[ 2005年01月14日-15:01 ]  



ミクシィーユー。<中編>


というわけで、前編で書いたエアロビクスの番組を唐突に見てしまって驚いたというだけのmixiのメモ書き日記から、『家元のつぶやき』の記事に発展すると、どうなるかという事を実際にやってみようということで書いてみたのですが、必要以上に長くなったので、<つづく>になってしまいました(笑)。まぁ御笑覧くださいまし。
エアロビクス。

有酸素運動という言葉に縁遠いデブの僕には全くと言っていいほど無関係なこの言葉、この種目だが、実は大学時代のある時に、強制的にエアロビクスをやらされたことがある。

というのも、僕は交通事故に遭遇してしまい体育実技なる必修科目(こんなのが必修って!)の単位を取得しておらず、卒業年度にそんな科目を履修するハメになってしまっていたのだ。

通常ならば体育実技はその半期にやるスポーツの種目を選ぶことが出来る。サッカーであったりゴルフであったりバレーであったりテニスであったりバスケであったりと、まぁ正直「たま」といえば己の両足の間にあるミートボールくらいしか縁がない僕にしてみれば、どれも遠慮したい種目なのだが、それでも選ぶことが出来るのだ。

しかしながら卒業年度の僕には選択の余地などなかった。なぜなら既に他の科目で、時間割がギッチリ埋まってしまっていたからだ。

必然空いている時間割の種目の中から体育実技を選ばなくてはならなくなったのだが、その中に実技実習だかなんだかというモノがあった。科目概要を調べてみると、なにやらニュースポーツだの屋内競技だのを色々やるらしい。

他に空いている時間帯のものもなかったので、まぁ仕方あるまいと、その科目のマークシートを塗りつぶし、学生課に提出した。


そして第一回目の講義。体育館に集められ科目の説明を受ける。妙にハイテンションな中年女性の講師がホワイトボードに書き出した「今期のスケジュール」を見て、僕は愕然とした。


 1.ガイダンス
 2.体力測定
 3.ストレッチの基礎
 4.ストレッチの実技と研究
 5.リズム体操
 6.エアロビクス1
 7.エアロビクス2
 8.エアロビクス3
   ・
   ・
   ・


エアロビクス。

なぜに体育実技実習でエアロビクスなのだ。説明を聞くとどうやらこの中年の女性講師は現在他大学でリズム体操によるなんちゃらかんちゃらというものを研究しており、それが教育上なんちゃらかんちゃらだと説明している。つまりあんたがやりたいからってことだな、このパンタロン。

理解はしたが納得は出来なかった。だが今更スケジュール的にも学則的にも履修変更などできるわけもなく、僕は不承不承エアロビクスという、別に知らないままでいい未知の領域に足を踏み入れることになったのである。


ナニをエアロビ如きで怖じ気づくかとお思いの方もいらっしゃるだろう。しかし考えてもみて欲しい。当時から100キロ超だった僕である。そんなのがTシャツとジャージで「レッツレッグサイッ!オッケー!ァイェア!ッホーウ!」とか言いながら踊り狂うわけである。しかも酸素を消費しながら。

想像しただけで周辺の気温は上昇し、酸素が薄くなる。その凄まじさは高木ブー先生が出演した体脂肪燃焼補助飲料の「バーム」のCMどころの騒ぎではない。いや比べることすら失礼だ。

そもそも「ダンス」だとか「踊る」だとかそういう言葉など、僕の辞書にはない。あるとすれば、その項目には筆頭に「無理なこと」と記載され、次いで「出来ません」と書かれ、「イヤだ!イヤなんだ!」と続けられ、そこから先にようやく「盆踊り」とか「ワイクー…ムエタイの試合の前に選手が神に祈りを捧げる儀式的な踊り」とか、「舞々(チョムチョム)→あしたのジョーを参照」とか書かれている――そんな程度のものだ。

愕然として、それから呆然として、それから全てをあきらめた僕は、せめてもの「よかった探し」をしてみた。しかし結果は単位は何とかなるかもしれないなということと、レオタード着用とか空恐ろしいことを言われなかったことくらいだった。


そして数回の講義を経た当日。リズム体操なる講義の時に、僕のトラウマ第一弾がはじまった。やる気満々の講師が持ってきたCDは想像していたよりもテンポの遅いもので、まずはそのリズムにあわせて身体を動かすというところから始まった。

「はい、その場行進、テンポよくー、腕の振りを大きく、左右に振って、大きく足を上げて、そこでステップ、ハイ今度はボックス!


ボックス?!

見れば周囲の学生達はいわゆるスクエアのボックスステップを軽々と踏んでいる。なんだ、ボックスステップはいつの時代から国民的運動に採用されたのだ、それともラジオ体操の内容が変わったのか。そんな話は聞いていないぞ!

と、既に軽いパニック状態に陥りながらも僕も見よう見まねでボックスを踏む。この時点で僕の羞恥心メーターは既にイエローゾーンに入っていた。

「最初から飛ばし過ぎだろこのパンタロン!」と心の中で抗議するも、曲は止まらず指示も止まらない。腕を振ったり手を叩かされたり、挙げ句ターンさせられたりと、僕は踏み台昇降運動のリズムのような4拍子の曲にあわせて、糸の切れた操り人形のような動きをしていた。

ようやく苦痛の1時間半が終わり、文字通り憔悴しきった僕。鏡の向こうにはおそらく白髪化した自分の姿が映っているだろうと思いながらシャワールームに入ったが、実際は息を荒げて汗をダラダラながしたデブが世にも情けない表情を浮かべているだけだった。


<つづく>


[ 2005年01月16日-00:17 ]  



ミクシィーユー。<後編>


【前編】http://g-labo.to/log/2005/200501141501.html
【中編】http://g-labo.to/log/2005/200501160017.html

僕は最初にその中年の女性講師を怨んだ。むしろ呪った。

それから彼女の着用している謎のパンタロンを怨んだ。それとよく似たコスチュームを着用しているプロレスラーの橋本真也をキライになった。さらに恨みの連鎖は事故の相手、1・2年の頃に単位を取り逃した自分、産まれてきたことにまで遡り、全てが無駄だと考えることを止めた。


しかし考えることを止めても講義の時間はやってくる。しかも、やって来たのはいよいよ本番の「エアロビ1」だった。

いつにも増してハイテンションのパンタロン。全ての発言の末尾に「♪」が着いていそうだ。いや文字通り着いているのだろう。だって講義始まる前から音楽かけっぱなしだし。

ジャージ&Tシャツという格好に着替えて体育館に到着した瞬間から、僕のテンションは思い切り下降線を描いた。むしろ「↓」だった。


だが、パンタロンは気にせず講義を進める。

「それじゃまず準備体操で音楽にあわせて身体あたためましょう♪」

すでにエアロビのゴングは鳴っているようだった。僕はやる気なく云われるがままに身体を動かし始める。

そしてしばらくするとだんだんと曲のテンポが速くなっている事に気づいた。巧妙な罠だ。自然パンタロンのテンションも上がっていく。動きも速くなり動作の回数も多くなる。ボックスステップなんか足が絡まりそうな程だ。

それでも、なんとか必死になってついて行こうとする僕。引き離しにかかる曲。色々な意味でもうダメだ――そう思ったときに曲が止んだ。助かった、心底そう思ったのもつかの間

「それじゃもう少し速い曲にあわせてみよう♪」

パンタロンがとんでもないことを言い放った。この時点で90分枠の講義は20分程度しか経っていなかったと思う。それでも既にへとへとになっていた僕は、なぜ日本には銃刀の所持が許されていないのだろうかということを、うっすらと考えていた。

「えーと、どのCDがいいかなー♪」

パンタロンは持参のCDボックスからCDを選んでいる。しかもその量がハンパじゃない。僕は「どこまで気合い入れてんだ、このパンタロン!あんたスソが広がってんだよッ!!」と心の中で罵倒しつつも、どうか速い曲じゃありませんように、と祈っていた。

「よし、それじゃこのCDでいきましょう♪キミ達も知ってる曲よ♪」

パンタロンは喜々としてコンパクトディスクをCDラジカセに放り込んで、ボタン操作をした。そしてスタンバイすると、数瞬の後に確かにどこかで聞いたことのあるイントロがスピーカーから流れ出した。

僕がイントロクイズの正答に行きついたのと、パンタロンが「ホーーーーーーウッ!!」という、幼児をベッドに連れ込むことに成功したマイケル・ジャクソンさん(仮名)のような雄叫びを上げたのは、ほとんど同時だった。

そして体育館には大音量のtrfの「イージードゥダンス」が数十分間無限ループで流れ、僕は生き地獄に飲み込まれていった。



こんな事があって、僕はtrfがキライになった(エアロビの講義はそのあとずっとtrfだった)。パンタロンに恨みをもった。エアロビクスにトラウマを持つことになった。しかし単位さえとれてしまえば、いずれも今後二度と関わりのないモノになるはずだったし、事実そのように人生を送ってきたつもりだった。

大好きだったプロレスラーの橋本真也を、改めて好きになるのは長い時間が必要だったが、trfは自然消滅し、エアロビクスはやることはおろか見かけることすらなくなっていたのだ。全てはうまくいっていた。


だが先日のこと、徹夜で原稿を仕上げていた早朝にそれは起こった。

スカイパーフェクTVの数多いチャンネルの中で、スポーツを専門に放送しているチャンネルがいくつかある。その中の一つのチャンネルを、僕はとあるプロレス団体の中継を見たいばかりに契約しているのだ。

他のスポーツやら、その他のそのチャンネルの番組にはまるで興味はない。だが、その日は迂闊にも前の晩に、そのプロレス団体の中継を録画したばかりで、チャンネルがそのままになっていたのだ。俗にいうステイチューンというヤツだ。

そして原稿が一段落したので早朝ニュース番組を見よう、と液晶ディスプレイのPinP画面にテレビチューナーからの入力を回した瞬間、僕は固まった。


19インチ液晶ディスプレイの、およそ5インチ分の画面の中で、3人の女性…女性?が踊り狂っていたのだ。その踊り狂いっぷりったるや、凄まじいモノがある。特に中央の女性…女性?がスゴかった。

ナニがスゴイって、妙に太いのだ。太い。いやなんといえばいいのだろう。がっしりしている?堅そう?マッチョ?どれも相応しくない。

小さな画面越しにもわかる光沢を帯びた浅黒い肌、それ故に引き立つ筋肉のカッティング。そして重量感のあるボディ。全ての動きにキレがあり、無駄に力が、否、戦闘力に長けていそうな存在感があった。車にたとえるならば黒塗りのベンツ。そんな感じのイキモノがそこにはいた。

しかしそんな表現をした上でも、僕には違和感があった。彼女…彼女?の着ている衣装だ。白のタンクトップに白のパンツ。総じてキャプテンハッスルこと小川直也のコスチュームのようだ。

だが違和感のもとはそこではない、パンツ…文字通りのパンツだ。スパッツなどではない。微妙にスソが広がっているような印象さえ受ける。…ッ!?パンタロンかッ?!その瞬間、忘れかけていた僕のトラウマが疼き出した。


リモコンのPinP機能オフボタンを押すか、チャンネルを変えればいい。だけど僕にはそれが出来なかった。違和感の正体に気がついたのだ。彼女ら…彼女ら?は、絶えず動き続け踊り狂っていた。だが通常のダンスがそうするような動き、例えばカメラに対して側面を向いたりターンをしたりということをしなかったのだ。違和感の正体は、それだった。

まさか――。

そう思いつつ、ついついアンプのスイッチを「PC」から「TV」に切り替えてしまった。途端に流れ出すハイテンション&ハイテンポなサウンド。そして中央のハッスルパンタロンが放つシャウト。

もう間違いなかった、これはエアロビだ。しかも深夜のダイエット商品CMなんかじゃない、まじりっけなしの100%純正なエアロビクス番組だ。


今や完全にトラウマは再燃していた。いやだ!いやだ!!僕は慌ててリモコンのPinP機能をオフにしようとしたが、誤って「親子切替」ボタンを押してしまったのだ。この時ほどMITSUBISHIの興業デザイナーを怨んだことはなかった。

途端に19インチの液晶ディスプレイ一杯に表示されるエアロビクス番組。中央で踊り狂うハッスルパンタロン。完全に硬直する僕。脳内には既にtrfの「寒い夜だから」のイントロが静かに流れ始めていた。

硬直の原因はトラウマだけではなかった。なんと大写しになったハッスルパンタロンは、デカくて黒くて強そうなだけではなく、直球表現すれば「おばちゃん」であり、なおかつ髪型をツインテールにしていたのだ。

ハッスルパンタロンの後ろで踊る二人の女性はそれぞれハーフパンツにタンクトップという出で立ちだったが、こちらもツインテールにしている。なんだろう、そういうコンセプトの番組なのだろうか。

それにしても後ろの女性達の身体がハッスルパンタロンの半分くらいしかない。遠近法を考慮したとしてもだ。それともハッスルパンタロンの部分だけワイド画面仕様にでもなっているのだろうか。なんというかインパクトも合わさって背景にしかみえない。


様々な考えが脳内を駆けめぐる。だが思考はうまくまとまらず、スピーカーからは「ィヤェ!」「フッフー!」「ォアワーイ!」「ヒュッヒュッヒュー!」などというハッスルパンタロンの奇声と動作指示がハイテンションサウンドに載せて流れ続ける。

思考が麻痺してしまった僕は、画面の中で激しい表情で踊るゴリ顔なハッスルパンタロンと、僕にトラウマを植え付けたパンタロン講師が超合金合体し、ものすごい勢いで踊り狂う様を眼前の液晶ディスプレイではないスクリーンに映し見ていた。脳内に流れる曲は、あの日と同じtrfの「イージードゥーダンス」だった。



欲しいものは いつだって

不意に襲う偶然

見えない明日 突然に

めぐりあえる ときめき

午前5時 永遠のルール


(略)


Ez Do Dance Ez Do Dance

踊るキミを見てる


Ez Do Dance Ez Do Dance

キミだけを見ている



(「EZ DO DANCE」作詞作曲:小室哲哉)



モニターを衝動的に破壊しなかった僕は
トラウマを克服したのかもしれません。

(しかしハッスルパンタロンのツインテールは新たなトラウマ…)

というわけで、前編に書いたようなmixiの短いメモ日記から、こんな感じに話が広がるというお話でした。まぁ文字通り冗長になっただけでしたね!予想通り!ちなみにどんな番組か知りたい!とか、私もトラウマが欲しい!というはGaoraに加入して番組を探すといいですよ!責任はもてませんが(笑)。


[ 2005年01月17日-06:45 ]  



納得できない日々。


本日の昼の事だ。

『闇のイージス』と『大使閣下の料理人』の最新巻を購入し、うはうはと食事中の僕。その隣の席に座った中年の男がとにかく酷かった。

店員を呼び、注文を済ませると「悪いけど電話帳持ってきてくれる?」というところから中年男の暴走が始まった。

店員が首を傾げながらNTTの電話帳を持ってくると、携帯電話を取り出して電話をかけ始めたのだ。どうやらかけている先は、近隣のシティホテルとかビジネスホテルらしい。

「すみません、今晩部屋空いていますか?あーそうですか」

を繰り返しながら、何件も何件も電話をかけている。かけるのはかまわないが、もう少し静かな声で喋れと思うのだが、とにかくデカイ声で喋り倒す。お前は口の中に拡声器仕込んでんのかと歯科検診したくなるくらいだ。

どうせ仕込むなら青酸系毒物でも仕込んで速効噛み砕けと内心思いながらも、僕は黙々とマンガを読みながら飯を食いつづけた。そうする間にも、この中年男はデカい声で電話をかけ続けている。

デカイだけならまだしも、微妙に甲高い声なのが気に障る。僕は人様の声質にいちゃもんをつけられるほどの美声の持ち主ではないし、自分の声はキライなのだが、それでもこの中年男よりはマシだと思う。

否、普段なら声質など気にならないのだが、食事と読書のささやかな幸せタイムの邪魔をされていることが声すらも非難の対象に変えさせているというのが正解だ。

とにかく、なんと表現すればいいのか悩むが、この中年男は発狂したみのもんたとか出川哲朗みたいな声をしているのだ。ややモッチャリ系のアルミ缶を叩いたような声だ。ファイナルアンサーエーヘヤナインデスカーヤバイヨヤバイヨタモサーンカンカンカーン(アルミ缶)てな具合なのだ。一刻も早く青酸カリ入りの歯を噛み砕いて欲しい。


僕はといえば、あまりにも癇に障って、既に飯などナニを喰っているのかわからなくなってしまっている。本の内容も頭に入らない。どちらも志半ばにして諦めた僕は、この中年男を観察することにした。

どうやら中年男はまだ部屋が見つからないらしい。ザマミロこのデカ声中年め、読書&食事という僕のささやかな幸せタイムを貴様の出川もんた声で邪魔した天罰だ、野宿して凍死しろなどと心の片隅で考えていたのだが、どうやらどこも満室とかそういうわけではなく、条件に合う部屋がないということらしい。

この中年男、外見は紺のスーツにネクタイという姿から普通のサラリーマン風なので、察するところ出張か何かの最中なのだろう。どんな部屋に泊まろうとしてんだかしらないが、とにかく電話を切って欲しい。もしくは舌を噛み切って欲しいところだ。

と、どうやら男の条件に合う宿が見つかったらしい。

「あーそうですか。ありますか!いやー助かりました。それでおいくらですか?あー…そうですかー…5000円。はーそうですか…4500円になりませんかねえ?いや他のホテルさんどこも空いてませんで…ええ、そのーああ私一人です。もちろん一人ですとも。4800円くらいには?ああーそうですかー5000円。5000円ですかー」

日本のビジネスホテル値切る人をはじめて見た。心底驚いた瞬間だった。基本的にビジネスホテルというところはサービスなどを極限まで削って、価格を抑えているところが大半だ。それゆえ普通のホテル以外にも出張などでも使えるように、後はシャワー浴びて寝るだけというシステムのみの部屋を安価で提供できる。それがビジネスホテルだ。

しかし、現実に僕の隣の席ではいい年した中年のおっさんが出川哲朗+みのもんたの声で、タカイヨタカイヨムリデスヨタモサーンワカレチャニナサイオジョウチャーンカンカンカーン(アルミ缶)と、値切り交渉をしているわけである。それも500円とか200円を値切ろうとしている。しかも全く相手にされてない様子で。

一瞬ここはバックパッカー達の集うアジアの片隅かと思うほどのショックだった。もしもし、おっさんここは日本国埼玉県さいたま市ですよ?と声をかけたくなるのを、ぐっとこらえて僕は食事を口に運んだ。運び続けた。そうしないと出てしまいそうだったからだ。


ひたすら食べることに集中していると、ようやく中年男の声が止んだ。どうやら部屋が決まったらしい。ついでに僕の食事も終わった。気分も悪いしショッキング過ぎたので、一刻も早く店を出ようと思い席を立った。

すると、ちょうど店員が中年男のもとに注文品が届いたので、500円200円を値切るおっさんが、どんなモン喰ってんのかと思い通りすがりに眺めると、カキフライセットにモツ煮込みと豆富サラダつけてやがった。

これは総額
1504円(税込)の豪華メニューだ。一方の僕がレジで精算した金額は262円(たぬきうどん)。


埼玉県が全国に誇る格安チェーン「山田うどん」の一角で、世の不条理を叫びたくなった僕だったが、それでも黙ってバイクにまたがると水平線を目指してスロットルを開いた。

最初の信号待ちで、グラブの背で目元をぬぐったのは悔しさからじゃない。冬の寒さが目にしみそんなモン喰ってて値切ってんなよ!!おっさん!!!
(我慢の限界)



[ 2005年01月18日-20:33 ]  



Oh! mammy!


友達と電話で話していた時のことだ。そいつは食事中だったらしいのだが、僕と会話していてナニが面白かったのか突然大爆笑を始めた。

よっぽどツボにハマってしまったらしい。年に一回はこういう奇跡も起こるモノだと、日頃ザウス(倒産)すべり放題な僕はあきれたり喜んだり驚いたりしていた。

その後も会話は続いたのだが、お互いがふ、と黙り込んだ瞬間の直後に突然電話から激しい爆発音が聞こえた。そのあと友人はひたすら「ああーああー」と気が触れたバイオハザードのゾンビのような声を出している。

電話の向こうにTウイルスでも蔓延したのかと、数年来の付き合いの義理を切り捨てて電話を切るべきだと決意する直前に、友人は「吹いたー思い出しで吹いたーぐちゃぐちゃだー。あーあー」と相当ダメな感じで状況を説明した。

どうやら聞いたままの様子らしいので、僕は「電話いいから後始末しろよ」と伝えると電話を切った。友人の最後の言葉は「あーあーああー」だけだった。きっと顔中の穴という穴から色々な汁が出てしまったりしているのだろう。


僕にもそういう経験がある。むしろありすぎるほどある。かつてなど疲労がピークを迎えており、さらに寝起きだったので脳が身体に命令をし損ねてしまった結果、深呼吸とテリヤキバーガーを食べるという行為を同時に行ってしまい、軽く地獄の2丁目付近まで渡ったものだ詳細はコチラを参照

インドネシアではビニール袋に入った飲料をストローで吸い上げて、そのインパクトのありすぎる味に即時噴出して虹を作った。夏のバーベキューでは乾杯のビールを煽った瞬間鼻からも乾杯してしまい大爆発。小学校の時などは牛乳を飲んでいる友達を笑わせようとして小ネタを考えていて自爆したことすらある。

そんな噴出歴の枚挙には暇のないベストフンシュチストにノミネートされそうな僕であるが、過去の噴出事件の中でインパクトのあるモノというと、高校時代の事を思い出す。

その当時の僕は、その、なんだ、お付き合いとかそういう、ほら、まぁそういう関係の女性と、お互いの学校の中間地点にあるコンビニ前で待ち合わせをしていた。

というのも近所というには遠すぎるが、同じ市のそこそこ近いエリアにある共学高校と女子校にそれぞれ通っていたので、前の晩に電話をして時間を合わせては、放課後にそこで待ち合わせをしていたのだ。ケータイはおろかポケベルも持てなかった時代の、甘酸っぱい記憶である。


そしてここから先が問題なのだが、当時僕らの間では500mlの紙パックの飲み物を買って、凍らせてからもってくるというモノが流行っていた。それをスプーンでほじくって食べたり、もしくは溶かしてから飲むわけだ。

普通の缶ジュースより様々なラインナップがある紙パック飲料の中でも、僕は特に乳酸菌飲料の『マミー』を愛飲していた。微妙に甘酸っぱいその味が大好きだったのだ。

土曜日の半日授業を終えた夏の日。僕は前夜に約束していたとおりにコンビニ前に自転車を走らせた。その日は彼女(彼女って!)がお弁当を作ってきてくれることになっており、合流した後は近くの河原の土手か公園に行って、それを食べようというなんとも「青い山脈」的な青春を謳歌する予定だったのだ。

無事に合流した僕らはそのまま自転車で国道を越えた公園へと向かった。あずまやのテーブルに陣取って彼女は恥ずかしそうに弁当を広げる。僕もバッグの中から、タオルにくるんでビニール袋に入れたマミーと、彼女の好きなコーヒー牛乳を取り出した。


ここから先の細かい描写は、相当な勢いでどうでもいいので割愛するが、問題は食後に起こった。いつものように他愛ない話をしては笑い転げていたのだが、「当時」とはいえども高校生のお付き合いともなれば、その、なんだ、まぁ、ほら、ちゅーとかキスとかベーゼの一つや二つはブチかますものであり、当方ヤル気満々の男子高校生であったものだから、その、ほら、まぁ、一つレベル上のチューなどに興味津々であったのだ。

しかしながら触れるだけでドキドキ、キスなんか普通に唇を重ねただけで、そのまま脳血管障害で文字通り昇天してしまいそうな若造である。当然「どうするのがよいのかわるいのか」ということもわからない。

だが繰り返すが当方ヤル気満々の男子高校生であった。するとその一つの目的を持ってしまった瞬間から、ひたすらそのことしか考えられなくなってしまっていたのだ。これはもう男子高校生や男子中学生であった過去を持つ人ならば確実に共感を得られると思っている。

目の前には相手がいるのである。しかもOK気味なんである。しかしどうしていいかわからない。そもそもこう舌とかベロとかタンとか呼ばれるコレを、どのように動かせばいいのだとそればかりを考えてしまう。折しも不意に会話が途切れ、周囲には人影もなくなった夏の午後。木陰の下、さわやかな風なども吹いている。

「ああーもうヤルしかないーっつーかでもどうすればいいんだあッ!!」と、人目というか彼女目さえなければ、ものすごい勢いで縦回転したり横回転したりしたい精神状態だったのだが、そうもいかない。そこで僕は所在なさ気にマミーの紙パックを口元に運んだ。

凍らせたマミーは既に半分以上は溶けていたのだが、溶けた分はあらかたストローで飲んでしまっていたので、紙パックの中にはハンパに凍ったマミーの塊が残っていた。そこで僕は紙パックを煽って、その氷を口に運んで噛み砕こうと思ったのだが、まだそこまでは小さくはなかったようで、仕方なく紙パックを揉んで氷を潰すようにしながら、煽り続けた。

すると溶け出したマミーやら少し砕けたマミーやらが口中に流れ込んできて、非常に冷たくて気持ちがいい。しかしながらあくまでもそれらは少量で、緊張したり妄想したりで激しく渇いていた僕の喉を潤すには至らなかった。

舌先を延ばせば、そこには凍ったマミーの塊がある。緊張と妄想とでややパニクり気味だった僕は、今度は一気にコチラに意識を集中させてしまった。紙パックの中の冷凍マミーをもしゃもしゃと飲み下したかったのだ。だから僕はそのまま下を紙パックの飲み口に滑り込ませると、そりゃーもうものすごい勢いでレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレローッ!!とナメ始めたのである。


そんな風に僕は一心不乱になっていたのだが、向いに座ってる彼女がそんな僕を見てクスクスと小さく笑い出した。紙パックの飲み口にあんぐりと開いた口を押しつけて煽ってる男子高校生である、しかも割と真剣な顔をしているのだから、さぞかしマヌケだったのだろう。

もちろんのこと僕は急に恥ずかしくなったのだが、そんな風に笑う彼女の大好きな笑顔をみて、余計に照れてしまった。しかし、だがしかし、だ。照れるだけで収まらないのがヤル気満々の男子高校生たるものである。吉田照美すら足下にも及ばないほどなのだ。

紙パックを煽ったままの僕の視線は、可愛らしい笑い声をたてる彼女の口元に注がれた。注がれた上に妄想した。具体的にいうとチューの妄想をしたのだ。

そして次の瞬間である。僕はマンガの様に「ごくり」と喉を鳴らすのと、紙パックの中でシミュレーションとでもいわんばかりに「レルレロリ」と舌を動かすことを同時にやってしまった。やらかしてしまったのだ。

口の中に舌の熱で溶かされた冷凍マミーの甘酸っぱい味が広がった。しかも必要以上に。舌をそれまで以上に奥にねじ込んだせいで、冷凍マミーの塊が押し上げられて、それまでその塊の後ろに溜まっていた解凍済み超ちべたいマミーが一気に流れ込んできたのである。

口腔内から食道に流れ込むだけでなく、直球で気管にまで流れ込むマミー。甘酸っぱい味は既に拷問。耐えようと思った瞬間には既に僕は爆発していた。それも半端な爆発っぷりではない。「ぶばぶゅぼじゅばびゃーーーッッ!!」という発音も文字再現も難しいような音をたてて爆発した。


夏の午後、風吹く木陰の恋人達。衝撃で吹っ飛んだマミーの紙パックは中身をまき散らしながら空転し、僕は口から鼻からマミーと自分の「なに汁」とは形容しがたい体液とをミックスドアップした液体を噴出し、さっきまでの幸せだよボク幸せよアタシウフフアハハ的天国から、急転直下の垂直落下式に地獄を味わっていた。

普段はおなかに優しいはずの乳酸菌が、鼻腔粘膜や咽頭粘膜を著しく刺激する。そんなところを刺激しても整腸作用はない。森永だってそんなことを考えて作ったわけではないのだ。なのに僕は顔面内部にある、ありとあらゆる粘膜で乳酸菌の刺激を一心に受けていた。

一通りのむせ返りは終わったモノの、口からも鼻からも目からも何かの汁を垂らしながら僕は中腰の姿勢で、ひたすら「ちょ、ちょっとまって、ごめん、ちょっとまって」と繰り返していた。なにをどうちょっと待って欲しかったのかは今でもわからないのだが、とにかく時間を止めたかったことだけは確かだ。いや、出来るならば時間を戻したかった。噴出する前に。

しかし当時から好きになる相手というのが、笑いのツボが同じとかそういうモノが基準になっていたせいだろうか、彼女はその通りちょっとだけ待ってから、大爆笑を始めた。もう発狂したかのような大爆笑である。

つられて僕も「へへ…うへへ…」と笑い出したのだが、いかんせん前屈みで汁まみれである。多分新手の怪人か、ただのヘンタイにしか見えなかったであろう。彼女の笑い声はさらに大きさを増した。

さすがの僕も「おいおい、どんだけ笑ってんだよ」と彼女の方を見ようとしたのだが、なぜか目が開かない。焦る僕、しかし無理矢理まぶたを開けようとすると上下両のまぶたが引きつるのを感じた。

――く、くっついてる?!

この時の僕のパニックっぷりったるや、当時なら歴代ベスト5に、今振り返ってもベスト10には余裕で食い込むほどであった。簡単に状況を分析するならば、目にまで回ったマミーが夏の日差しで既に乾燥しはじめ、その過剰な糖分が粘性を発揮し、両のまぶたを睫毛をのりしろにしてくっつけてしまっていたのである。

だが、リアルタイムの僕はそんな冷静な分析など出来ようはずもない。まぶたをどうにか開けようと顔の下半分を延ばしたり眉毛をあげたりと必死になりながら「あれ?あーれ?あれ?やばい、やばいよ、目が開かない、目が開かないよ!」などと言い出したのだ。

そしてその様子を見てだろうか、彼女はさらに笑い転げた。ようやく開き始めた薄い視界の向こうで、彼女はおなかを抱え込んでテーブルに突っ伏し、僕の方に「止まれ」のサインで手を伸ばして「もう、だめ、もう、ほんとだめ、だめ、やめて、おねがい、ゆるして」と息も絶え絶えといった感じで途切れ途切れに云っていた。

そんな切ないセリフは僕らがもう少し大人になってからベッドの上で言ってくれベイビーなどと考える間もなく、僕はパニクっていたなりに「ああ、この子は今の僕の状況を助けてはくれない」と何かを諦めたりしていた。


結局、紙パック飲料を包んでいたタオルを手探りで探して、まぶたを拭いて視界を取り戻した僕は、公園のトイレでタオルをすすいで顔中を拭き、ようやく平静を取り戻したりした。ちなみにその間彼女はずっと笑い転げていた。しまいには過呼吸のように「ひゅーきひゅー」という怪しげな呼吸になっていたのだから、よっぽど面白かったのだろう。

だが僕は「なんで助けてくれなかったんや…」と恨めしがることも、「そんなに面白かった?!俺輝いちゃってた?!」などと道化きることも出来ず、ただ何も言えなくて…夏なだけであった。また、マミーくさいYシャツでブラつくわけにもいかず、その日はそのまま別れてしまい、レベルアップな大人チューはお預けになったことはいうまでもない。

後日彼女に聞いたところによると、マミーの紙パックを煽っていた僕の目が、その瞬間「くわっ」と見開いて「んくっこっかっ」というような奇声を紙パックの中であげた直後にキレイなしぶきが夏の空に吹き上がったという。

あまりの出来事に「スローモーションに見えたよ」とは彼女の弁だが、どういうわけか僕にもその時の自分の姿が鮮明に客観的視点から記憶されている。ひょっとしたらあの瞬間、僕は幽体離脱していたのではないかと思うくらいだ。


夏の午後。

さわやかな風が吹き渡る木漏れ日の下。

男の顔面から噴出されるマミー。

キラキラと輝くマミーの飛沫。

狂ったように笑い転げる女。

中腰の姿勢で目が見えないと訴える男。

さらに笑い転げ続ける女。


それはフェデリコ・フェリーニの映画を、デビット・リンチがリメイクしたかのような狂気と笑いが同居する奇妙な光景であったと思う。


これは余談だが、この事件の数年後、同じようなシチュエイションで同じ飲み物を飲んでいた僕は、この事件のことを唐突に思い出し、思い出し笑いをした挙げ句に再度噴出した。あの日と同じマミーを。あの日と同じように。そしてあの日と同じように指さして笑い転げられた。

乳酸菌飲料の金字塔「カルピス」は『初恋の味』であると昭和時代の広告で謳われた。カルピスほどメジャーな乳酸菌飲料ではないのだが、森永「マミー」は僕にとって確かに「初恋の味」であった。しかもその味を、舌の記憶だけではなく顔中のあらゆる感覚器で覚えているのである。

無論のこと2度の噴出事件の後「初恋の味」と同じレベルで「トラウマの味」にもなり、以来口にしていないことはいうまでもない。
(また噴き出しそうだしね…)



[ 2005年01月21日-10:55 ]  



言戯道場総評 御題:一緒に夏を過ごす口説き文句


★今月の御題は『一緒に夏を過ごす口説き文句』



復活。

諸君、ご無沙汰であった。というわけで、私が当道場の家元、春九堂である。

世の中には様々なしがらみがある。しがらみに捕らわれてしまうとやりたいこともできなくなってしまう。例えば婦女子のブラジャーなるあの下着とかいうヤツのブラウスに透けるホックとかそういうものをついとつまんでぱちんとしてみたりとかそういうこともしがらみがあると出来なくなってしまうのであるああせちがらい(息継ぎナシ)。


「家元。なにか嫌なことでもあったのでございますか。というかそれはしがらみというよりはセクハラとか訴訟とかそういうものでございます」

ぬぬ。そういわれてみればそうかもしれない。なんでも訴えればいいと思いやがって。どの面下げてセクハラとかぬかしやがるのか、面をあげいって感じだな。

「家元!その発言自体がアメリカなら敗けでございますよ!」

ぬぅっ!そうなのか!慎んでお詫びして訂正いたします!

「弱ッ?!」

まぁまぁ。そういうわけで、せっかく新システムも稼働して動き始めていたのに、色々しがらみがあってストップしていた言戯道場だが、とにもかくにも独自路線で復活したというわけであるよ。王道復古であるのだよ。

というわけで半年が経ってしまったわけだが、4回目の総評になる今回『一緒に夏を過ごす口説き文句』には866通もの投稿があった。ありがたいはなしである。


早速総評に入りたいのだが、このコーナーがなんなのかとかわからない人も多いと思うので、とりあえず道場のシステムについての詳細はコチラを読んだりすると好いと思う。では行こうか番頭さん。

「久々なので緊張いたしますねえ。ちなみに今回の採用数は65通でございます。おおよそ1/13でございますねえ」

そうだねー。採用基準が厳しくなった向きもある。しかしながらこれもまたしがらみを超えて言戯の世界を追求する為には必要な事。今回は敢えて佳作も選考しなかった。つまり今回採用された作品は、かなりレベルが高いと思ってくれていい。

「復活一発目でございますからね。お手本になるような作品を選ぶといったところでございましょうか」

まぁ大体そんな感じだね。んじゃ行こうか。

「あ、家元。その前に一言だけよろしいでしょうか」

ん?なんだい?おしてるんだから手短にね。

「はい。こほん…(すぅ〜←深呼吸)『一緒に夏を過ごす口説き文句』って今冬真っ盛りだろうがよ!!

すまァアァァーーァアァんっッッ!!!

「それではまずは、今週の効果でございます。一作品採用につき1点となっております」


★今週の『効果』



「アバンチュール」って何か、一緒に考えませんか!
(投稿者名:Akki)
家元:アバンギャルドなら知ってる。
番頭:アバンストラッシュなら知っております。

山も海も川もあるよ。
足りないのはキミだけなんだ。
(投稿者名:AS)
家元:そんな秘境に連れて行くのか。
番頭:帰って来られなさそうでございますねぇ。

返事は「押忍!」だけでよい、以上。
(投稿者名:bakahakase)
家元:お、押忍!
番頭:お、お、押忍!

ほら俺らって今しか無いじゃん。冬寝ちゃうし。
(投稿者名:BUSAKU)
家元:今年は大活躍であったな。
番頭:あまり迷惑をかけてはいけませんよ、熊さん。

花火のように打ち上げて。
(投稿者名:cian)
家元:打ち上げるのはかまわんのだが…。
番頭:五体が四散しそうでございますね。

暑いなら脱げよ!
いや、脱いでくれ!
(投稿者名:D-boy)
家元:暑くてどこかに故障をきたしたかのような勢いが好ましいな。
番頭:さすが17歳男子でございます。

食い込ませに行こうよ!
(投稿者名:kami)
家元:なにをだ。
番頭:どこにでございましょう。

「あのね、私この夏に運命の人と出会うんだって」
「へー、それで?」
「それまで一緒にいてくれない?」
(投稿者名:ken2)
家元:上手い口説きとみるか、ただのいやがらせととるか…。
番頭:24歳女子、奥深しといったところでございますね。

朝顔の 代わりにずっと 君を観てたい
(投稿者名:ken2)
家元:キレイはキレイなのだけれど。サイコチックな感じもするなあ。
番頭:完全なる観察、でございますね。

「傭兵求ム」 〜奄美大島農協〜
(投稿者名:Nekomata)
家元:奄美で何が起こっているのか非常に気になる。
番頭:パイナップル…が関係しますでしょうか。

俺も脱ぐから貴様も脱げ!
(投稿者名:SPA)
家元:いやーそういわれましてもなあ!
番頭:家元家元、なぜにそんなに嬉しそうに脱ぎはじめてらっしゃるのですか。

水着の名札に惚れました
(投稿者名:アツシ)
家元:学年とクラスが書いてあるわけか。
番頭:フェチ、でございますね。

二の腕フェチは日焼け止めより「かゆみ止め塗ってくれませんか?」という誘いを待っている。
(投稿者名:アツシ)
家元:そうなのかね?
番頭:…ポ(赤面)。

貴女の為なら水着の面積も厭わない。
(投稿者名:いっぺぃ)
家元:厭わない、の使い方が愉快だな。
番頭:文面は意味は理解不能ですが、切実さは存分に伝わるものがございますね。

どうやっても右払いが巧く書けぬ・・・
お、そこのおなご、丁度良いところに来たな。
ささ、ここにごろりと寝転べい。
案ずるな、墨は使わん。
ちゃんとサンオイルを用意しておるわい。
(投稿者名:いっぺぃ)
家元:こういうビデオありそうだ…。
番頭:名人や達人の行動は時として常軌を逸しますから…。

君の浴衣の柄とお揃いのまわしを買ったんだ。
(投稿者名:いっぺぃ)
家元:股間に金魚。
番頭:前ミツにひまわり。

オ前、寝転ガル
オレ、油ヌル
(投稿者名:いっぺぃ)
家元:塗る油のタイプが明らかに違いそうだ。
番頭:「こんがり」の焼き加減が小麦色ではなく「食用」のように思われますね。

大胸筋で語らう夕べ
(投稿者名:うめちき)
家元:ぴくんぴくん。
番頭:びくびくびくびくッ。

オレ泳げないけどさぁ、人工呼吸は得意だから。
(投稿者名:うめちき)
家元:される方かな。
番頭:そのようでございますね。

さっ、サンオイルを塗る練習は、うちの母ちゃんとしてきましたっっ!
(投稿者名:きくぞう)
家元:母ちゃんで、じゃないところがポイント。
番頭:麗しくない母子の関係でございますね。

理系の女の子に
「炎色反応と振動の研究にいかないか?」
と誘った。
「いいよ。」と笑った。
(投稿者名:きん)
家元:花火のことなのだと思うのだけれども、理系過ぎて、パッと見じゃわからんかったぞい。
番頭:それは家元が文系だからでございますよ。番頭の私も皆目見当つきませんでしたが。

虫除けに指輪あげるよ。
(投稿者名:たおち)
家元:なかなかにコジャレた照れ隠しエクスキューズですな。
番頭:渡された方はそれをそっと質屋にもっていくがいいのでございますよ!

氷を買って遊びにきて。
ううん,食べるためじゃないんだけど。
(投稿者名:ニケ)
家元:ナニに使うんだろう。
番頭:アレでございますよホラ、「氷の微笑」プレイ。

どうせ、タッチの再放送が終わってからはヒマなんだろ?
(投稿者名:マコ)
家元:甲子園が題材になってるからか、毎回再放送してるよなー。
番頭:大体午前中でございますね。となると半日は暇ということに…。おいたわしゅうございます。

自由研究の課題にしたいんだ。
だから抵抗するなよ。
(投稿者名:もうすぐ高校生)
家元:既に抵抗する力を奪っているような気がする。
番頭:注射器をもって近寄る様が見えるようでございます。

「君の水着姿が見たいなぁ。」
「イヤよ。大体、夏だからって水着を着なきゃいけないって法律はないのよ!?」
「じゃあ、水着じゃなくて全裸で。」
(投稿者名:ヤス)
家元:正直。
番頭:過ぎでございますよ。

もう宿題も無い事ですし・・・。
(投稿者名:リン)
家元:そうだねえ…。
番頭:家元には色々のこってらっしゃるようでございますが…。

ナンパした女性に共産党のスパイと罵られる。
(投稿者名:久保田)
家元:なんでだよ!とツッコんでしまった僕の負け。悔しいから一点あげよう。
番頭:どのように思想的に偏ってらっしゃったのでしょう。女性の方が、でございますが…。

「今年こそアルプスで撮ってくるよ」と言っていた写真好きの彼を高校野球のスタンドで見かけた。
(投稿者名:恒)
家元:そっちのアルプスか。
番頭:そういえば昔、報道腕章をつけてパンチラリズムフォトグラフィーを激写しまくりだった戯け者もいらっしゃいましたねえ。

ひとつ、私で手を打ってみない?
(投稿者名:香澄)
家元:謙虚なのか投げやりなのか自信たっぷりなのかわからないぞ22歳女子。
番頭:まだお若うございますのに…。

夏、君と映画になりたい。
(投稿者名:真矢)
家元:ありがち。ありがちなんだけどキレイだから点をあげてしまう。
番頭:家元はこういうのが好きでございますよねえ。

もう少し このままでいたい 縦四方(固め)
(投稿者名:琢)
家元:暑苦しいな…(笑)。
番頭:寄りによって縦四方でございますからねえ…。

「こんや、胴ぅーーーーっ!!!」
「ごっ、面んーーーーーーーっ!」
「それまで!」
(投稿者名:琢)
家元:それまでっ! がよかった。
番頭:そこだけでございますか?!

あなたの体の香りが好き、といったことがあるのですが、こないだ、香水の瓶に入った、彼の汗をいただきました。 どうしろと?
(投稿者名:琢)
家元:問題は投稿者が19歳男子というところだろう。
番頭:彼の汗…って、ええーっ!?

「いやだ、こんなくそ暑いのに補習なんて!」
「安心しろ、テキストはよーく冷やしてある」
(投稿者名:麻木)
家元:うまい。
番頭:頭も冷えます。

とまあ、こんなとこですな。短いのが優遇されるのは相変わらずといったところだね。

「帯もちの皆様は、こういうところでもコンスタントに点を重ねてらっしゃいますねえ」

そうだね。一発でっかい評価をとるのもありなんだけど、こういうところで細かくとれる人の方が、実は実力者なのかもしれないね。勿論推敲を重ねて完成された作品を一つ投稿するというのもアリなんだけれども、数多く採用されることで「採用される作品の傾向」という感覚をつかむことも大事かも。

「帯もちの皆様は、そろそろ作風が見えてくる方もいらっしゃいますしね」

そうだね。琢さん、久保田さん、きくぞうさん、うめちきさんなんかが特にそうかな。あと、いっぺぃ君はプレ言戯道場時代からの古参道場生なんだけど、ネタサイト管理人だけあって、投稿作品にほとんどハズレがないのが特徴かな。

「後に当道場の四天王となりそうでございますね」

ソレは楽しみ。それじゃ次行こうか。

「はいはい、次は今週の有効でございます。一作品採用ごとに2点となっております」


★今週の『有効』



そんな事より>>1よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。
このあいだ、近所の村営プール行ったんです。村営プール。
そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで泳げないんです。
で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、カポー無料解放日、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、カポー無料解放日如きで普段来てない村営プールに来てんじゃねーよ、ボケが。
カポー無料だよ、カポー無料。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人でカポーか。おめでてーな。
よーしパパ飛び込んじゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、タダ券やるからそのコース空けろと。
村営プールってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
隣のコースを泳いでる奴といつ競泳が始まってもおかしくない、
抜くか抜かれるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、やっと入れたかと思ったら、隣のコースの奴が、バサロ泳法とかやってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、バサロ泳法なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、バサロ泳法、だ。
お前は本当にバサロ泳法をやりたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い 詰めたい。
お前、鈴木大地って言われたいだけちゃうんかと。
村営プール通の俺から言わせてもらえば今、村営プール通の間での
最新流行はやっぱり、会津向井流泳法、これだね。
しかしこれで泳ぐと次からプールの監視員にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあ、そんなわけで僕と一緒に村営プール行きませんか?
(投稿者名:ken2)
家元:なげーよ(笑)。そろそろ懐かしさを感じる吉野やテンプレなんだけど、上手くできてたから特別に点を進呈。
番頭:2度目はないというものでございますね。

Tシャツに透けるあの紐をひっぱらせてください。
(投稿者名:mathui)
家元:気持ちは痛いほどわかる。家元だってひっぱりたいのだ。
番頭:番頭としてはつつきとうございます。

…そうですね、一ヶ月ほどで退院できるでしょう。
(投稿者名:Ryi)
家元:そして夏は終わった、と。
番頭:合唱。

君と一緒なら、毎日が夏曜日
(投稿者名:うめちき)
家元:夏曜日がよかったねー。
番頭:そのままタイトルに使えそうでございますね。こう…コバルトとかの。

キミの体に爆薬を仕掛けさせてもらった。
解除してほしくば、私の要求をすべて呑んでもらおう。
まずは・・・・・・・縁側で線香花火だ。
(投稿者名:きくぞう)
家元:同案多数の脅迫モノでも、一番要求するモノが慎ましやかだったので採用。
番頭:既に終わりを感じる要求でございますよね。

まじですっげぇ汗っかきなんだけど見てみない?
(投稿者名:こだまる)
家元:これはアタマの悪いヤンキー口調で読んで欲しいね。でもそうすると「見てみたくね?」の方がよかったかな。
番頭:その場合は、助詞もある程度抜いてしまってよろしゅうございますね。

水色の浴衣
小麦色のうなじ
大胆に開けた胸
すらりと長い足
垣間見えるブリーフ
(投稿者名:ザクス)
家元:みえたのか…それにしても十代後半男子は、どうしてこうホモネタが好きだ。
番頭:そういうお年頃なんでございますよ。

とりあえず服着ろ
(投稿者名:ザクス)
家元:実にその通り。
番頭:脱いでいる姿がデフォルトなでございますねえ。さすが17歳男子。

1172過ごそう
(投稿者名:しんぷら)
家元:鎌倉幕府…とか続けたくなってしまったので採用。うまいなこういうの。意味はないんだけど(笑)。
番頭:894のままの計算ドリル、なんてのはいかがでございましょ。

夏なのに俺たち何やってんだろ?
(投稿者名:トマト)
家元:何をやってんだろうなあ(笑)。
番頭:後悔する夏というのも若さの特権でございますから…。

君のためなら扇風機に指を入れることだってできる。
(投稿者名:ねじ)
家元:あーこのセンスは案外と好き。夏ならではの度胸アピールの基準だ。
番頭:かき氷一気食いと大差ないリスクではございますね。

汗の臭いが初恋の人にそっくりだ。
(投稿者名:ヒロト)
家元:マニアックな嗅覚だな。野生に近いのか。
番頭:フェロモン…なんでございましょうか。

誘拐事件、今年も各地で頻発。カブトムシ(メス)の悲痛な訴え「うちの夫をかえして」
(投稿者名:ヤムイモ)
家元:誘拐された挙げ句に人身売買されているという。日本は法治国家です。
番頭:家元家元、虫身売買でございますよ。

母>今日のお昼はセミよー
子>えーまたセミー?
(投稿者名:リュウジ)
家元:うわー!!
番頭:想像はいけません!いけませんよ!!

ブラチラや
ああブラチラや
ブラチラや
(投稿者名:漢道)
家元:ものすごいわびさびの世界だな。
番頭:初夏の季語でよろしゅうございますか。

ま っ す ぐ な 性 欲 で さ み し い
だっだからだからだから・・・(以下略)
(投稿者名:鮭)
家元:後半いらない。もったいなさ過ぎる。
番頭:山頭火でございますねえ。

当方、リミッターを解除しておりません。
(投稿者名:新道 誠治)
家元:リミッター解除などの違法改造、としたほうが、妙な真実みがあってよかったかなー。おしい。
番頭:法定速度を遵守したお付き合い、というところでいかがでしょう。

夏はでしょ。
(投稿者名:真佐雪)
家元:なんの汁だ。なんの!
番頭:投稿者は女性というところがポイントでございますねえ。

今回の総評では、珍しく「有効」が少なかった。ここの採用数が増えるとトータルのレベルがあがったってことになると考えてるんだけどね。

「と、いいますと?」

判定の基準だけども、「効果」は『落とすには忍びないレベル』で、「有効」は『大きな点はあげられないけど、明らかに採用レベル』になるんだ。

「ふむふむ」

で、微妙なのが次の「技有」で、これは基本的には「一本に足りない」ってところをメインに判定している。明らかに「有効」より上っていうのも勿論あるんだけれど、「一本に足りない技有」や「落とすには忍びない効果」よりも、確定的な作品ってのがあると嬉しいってところだね。

「なるほどなるほど。それでは多くの方の有効作品が多ければ多いほど全体のレベルが高い、となるわけですな」

そゆこと。一人何作品まで採用とか、この評価は何作品までとか、そういう足きり制限はないからね。一本や技有が多くても、その評価を得られる人数が少ないんじゃ意味ないからねー。

「深い、でございますね」

番頭さんの敬語の乱れっぷりっくらいには深い、かな。

「余計なお世話様でございますですよ。それでは次は技有、一作品につき3点の評価でございます」


★今週の『技有』



人妻はぢめました。
(投稿者名:chate)
家元:はぢめられてしまったか。これは困った。
番頭:家元、なにをそわそわしておられるのでしょうか。

にんべんあそぶとかいて
(投稿者名:suica)
家元:おしいなあ。ここは「なつ」にすべきでしょう。もしくは「〜と書く季節です」とかでもいいね。センスは大好きだよ。
番頭:これこそ言葉遊びでございますねえ。

今年の夏こそ、ノンフィクション
(投稿者名:あば)
家元:「こそ」が効いてるね!
番頭:昨年のフィクションぷりったるやというやつでございますね。

理性も夏休みなの。
(投稿者名:いちなり)
家元:夏休みより「バケーション中」とかの方がベタベタでいいような気がする。でも好みの問題かな。
番頭:でも家元好み、が採用の基準でございますからね。

今年も一人は虚しいゆえ、誰ぞ遊んでくれたもう...
(投稿者名:きゅうり君)
家元:なんとも云えないセンスだ(笑)。どうしてもおとせなかったし、一本はあげられなかった。おじゃる丸の見過ぎだろうか(笑)。
番頭:お公家な感じがきいておりますねえ。

ね…着物って、襟元から右手を入れやすくなってるって、知ってた?
(投稿者名:とおる)
家元:知らなかったー!知らなかったー!
番頭:家元!そんなにはしゃがずとも、入れるお相手もありませんから!!

つべこべ言わず、脱げ。
(投稿者名:トマト)
家元:迫力に負けた。
番頭:はい…(しゅるり)。

この夏、終わるの惜しいからロスタイム請求します。
(投稿者名:宇呂田勝男)
家元:請求じゃなくて要求なら一本。てにをは抜けも残念。
番頭:このレベルまで来ますと、そうした細かいところに厳しくなりますねえ。

私の隣で夏やすめ
(投稿者名:彬)
家元:は、はい!
番頭:家元、強引なのがお好きでございますか。

とまぁこんな感じ。今回は結構多かったね。

「しかも皆さん、新参の方が多くていらっしゃいますね」

うん。コレは嬉しいですな。でもやっぱり「一本に少し足りない」ってのが多いんだよね。まぁ今回は新参さんが多かったりしているので、感触を掴む掴まないの話ではないけど、常連さんで「技有どまり」ってのは一つの壁って感じかな。

「きれいに一本とって欲しい、と」

その通り。それじゃその一本にいってみようか。

「一本は一作品5点でございます」


★今週の『一本』



チラリ。
(投稿者名:TAKA)
家元:これはもう、究極の誘い文句だろう(笑)。短さといい、やや死語的な擬音をもってきたところといい、文句なし。ただ想像の範囲だったので惜しくも抜群はあげられなかった。でもこの発想を大事にして欲しいですなあ。
番頭:あらゆるチラリを想像させられますね。夏だけに、薄着だけに、袖ぐりや胸元がオープンなだけに。ああ、誘惑の季節、それが夏…。

アナタトナラ、僕ハ錆ビテモカマワナイ。
(投稿者名:きくぞう)
家元:文句なしの一本でしょう。なんか四角いカタチしたそのまんまのロボットが、淡い恋をしてしまったかのような風景とストーリーが浮かんだよ。いいね、こういうのは凄く好きだ。
番頭:砂浜にたたずむ、動かなくなったロボットさんが見えるようでございますね…。

蚊帳に、お入りよ
(投稿者名:じゅうべえ)
家元:いやー夏を過ごすというテーマをズバリついてきましたね。風流でもあり味もある。なによりも言い回しが素敵。もうベタボメしちゃうよ。若い人は「蚊帳(かや)」なんて知らないかなあ。まぁググってみるといいですよ。
番頭:投稿者は四十代の男性でございます。さすがの貫禄といったところでございますねえ。

ズバっときれてるねえ。なんというか冴えがあります。TAKAさんのは、もうこれ以上ない「誘い文句」だと思うんだよねー。採点してる最中にコレに出会って、評価の方向性が決まったって感じだった。一番最初に選ばれた「一本」だったね。

「こういうのが欲しかった!というところでございましたね」

そうだね。ただコメントにも書いたけど、想像の域を出なかったというのが残念。「…」を使って余韻を持たせてみたり、カタカナではなく平仮名にすることでストレートさを消してみたりとか、少しずつ変えたらどうなるかなって感じもある。でも実に一本らしい一本だね。

「個人的にはじゅうべえさんの投稿作品が好きでございますねえ」

そうだねー。人生のベテランならではの風情が漂う作品。「蚊帳」という言葉やモノのチョイスもそうなんだけど、「入りなよ」ではなく「お入りよ」っていう使い方がなんともいい。ちょっとドキっとしちゃうよな、大人な田舎の夏を感じるねー。

「きくぞうさんは相変わらずのキレ味でございますね」

本当に感心させられるよね。カタカナという文字の使い方をすごくよくわかってる。「キミトナラ」だったら一枚落ちだったかもしれない。

「わたくし、この作品を読んで、少し胸がしめつけられるような気さえいたしますですよ」

うん。前後の文章がなくても、なんとなく想像の世界が広がるよね。20文字に満たない一行の文章にものすごいドラマが見える。これぞ言戯の真髄だね。

「しかし抜群にはならない。これはなぜに?」

うーん、簡単に言えばテーマを側面からとらえすぎているからかな。ドラマもある、字面もいい、イメージも伝わる。だけどこれは「夏を過ごす誘い文句」の直球ではないってところかな。

「御題のとらえ方一つにしても難しいのでございますねえ」

だからこそ面白いのが言戯なんだよ。

「…うまくまとめた気になってらっしゃいますね?」

ま、ま、いいじゃん。今後の投稿される皆さんも、お手本にしてみてくださいね。


★次回の『御題』は?



とりあえず、次回の総評は第10回の御題『ゾっとした―寒気鳥肌―夏の怪』があるわけなんだけれども、その次の御題に早速とりかかってみたいと思う。

今後の投稿は投稿期間を一週間単位で締め切ってしまうので、告知された御題についてネタを書きためておくといいかもしれない。その中から厳選して投稿するもよし、数うちゃ当たるでもよし。それは皆さんにお任せだ。

「肝心の御題の方でございますが…」

うん不安定な。家元スケジュールの立場からいうと、正直季節モノは避けた方がいいような気がするのだよ。

「次回の総評も真冬にも関わらず、「夏の怪」でございますしねえ」

ほんと申し訳ない…。で、だ。

「はい」

家元頑張って考えた。考えた結果出た御題がコレだ!


言戯道場第11回の御題『うどん』


「…家元?」

ん?なんだね?

「おなか空いてらっしゃいます?」

…う、うん。

「…ホントに考えました…?」

う、うん。考えたよ。ほんとだよ?

「…左様でございますか」

な、なんかやだなあ、疑ってる?疑ってる?いやそりゃあ確かに僕はうどんが好きだよ?でもね?だからって御題に選んだわけじゃなくって、こう、今年も強いコシと、満足行く食べ味と、細かったり長かったりしつつも長く万能な味付けに対応できる手軽な存在でありたい、と、そういう意気込みの表れですよ!

「ざるうどん、でございますね」

…そのこころは?

「(ザルから)とって(汁に)つけたようなイイワケでございますので」

う、うまいこと云った気になるなよぉッ!!えーっと、投稿は2月第一週から受け付け開始かな。それまではうどんを調べたりうどんを食べたりしつつ、予習しておくといいと思う。というわけで家元は帰るぞ。

「お疲れ様でございました」


★今週の番頭さんコーナー



さて、今回の総評で当道場初の有段者が登場しました。言戯道場になってからメキメキと頭角を現してきた、うめちきさんでございます。うめちきさんは毎回御題に対して10−20の作品を投稿されてらっしゃいます。

4回の総評で毎回20前後の投稿。それで50点以上でございますから、かなりの高打率。さすがのセンスでございますね。有段者になりますと、評価の基準が厳しくなりますので、今後の作品投稿も是非是非頑張って欲しいところでございますね。

さてそれでは皆様、次回総評でまたお会いいたしましょう。それでは
番頭も失礼いたします。

ハンドルネーム得点番付
katom0.5白帯(無級)
nobu0.5白帯(無級)
RAY0.5白帯(無級)
wat0.5白帯(無級)
yas-e0.5白帯(無級)
うみ0.5白帯(無級)
えふいー0.5白帯(無級)
カスミソウ0.5白帯(無級)
かりびあん0.5白帯(無級)
きた0.5白帯(無級)
だいお0.5白帯(無級)
っぇ0.5白帯(無級)
とのさまがえる0.5白帯(無級)
のどか0.5白帯(無級)
ひでじ0.5白帯(無級)
ひろひろ0.5白帯(無級)
ポチ川0.5白帯(無級)
まーくはんと0.5白帯(無級)
まさま0.5白帯(無級)
みぽ0.5白帯(無級)
もも0.5白帯(無級)
永月0.5白帯(無級)
0.5白帯(無級)
辛苦の稲妻0.5白帯(無級)
0.5白帯(無級)
柏谷熊0.5白帯(無級)
漂泊0.5白帯(無級)
零nana0.5白帯(無級)
akebono1白帯(無級)
bakahakase1白帯(無級)
cian1白帯(無級)
Dex1白帯(無級)
EDF1白帯(無級)
kami1白帯(無級)
ku-rem1白帯(無級)
Mr.DB1白帯(無級)
Nashorn1白帯(無級)
oide1白帯(無級)
omi1白帯(無級)
OSSA1白帯(無級)
sakura1白帯(無級)
SPA1白帯(無級)
あさひ1白帯(無級)
エイひと1白帯(無級)
がすけつ1白帯(無級)
かめきちさん1白帯(無級)
きん1白帯(無級)
ジバKing1白帯(無級)
しんご1白帯(無級)
シンヤ1白帯(無級)
たいちょ1白帯(無級)
たおち1白帯(無級)
とも1白帯(無級)
なり1白帯(無級)
ニケ1白帯(無級)
ブラックフレーム1白帯(無級)
ぽよけい1白帯(無級)
マコ1白帯(無級)
まるでぃーに1白帯(無級)
烏龍CHAO1白帯(無級)
黄狼1白帯(無級)
棋士1白帯(無級)
兄貴の山1白帯(無級)
虎寅トラ1白帯(無級)
香澄1白帯(無級)
佐野哲也1白帯(無級)
弱小組織総帥1白帯(無級)
1白帯(無級)
真矢1白帯(無級)
水野 縁1白帯(無級)
葬送曲1白帯(無級)
如月 真一1白帯(無級)
白峰一刀斎1白帯(無級)
不思議ちゃん1白帯(無級)
碧豆1白帯(無級)
1白帯(無級)
シン1.5白帯(無級)
ルシア1.5白帯(無級)
風まかせ1.5白帯(無級)
風車1.5白帯(無級)
air2白帯(無級)
azu2白帯(無級)
giyety2白帯(無級)
Masato2白帯(無級)
mash2白帯(無級)
mathui2白帯(無級)
ONE EYE2白帯(無級)
ROS2白帯(無級)
Ryi2白帯(無級)
あぶらむ2白帯(無級)
かずみず2白帯(無級)
コーイチ2白帯(無級)
こだまる2白帯(無級)
サクラチル2白帯(無級)
さつき2白帯(無級)
しお2白帯(無級)
しんぷら2白帯(無級)
すずめ2白帯(無級)
とり2白帯(無級)
ねじ2白帯(無級)
びぃ2白帯(無級)
まんごぅ2白帯(無級)
リュウジ2白帯(無級)
リン2白帯(無級)
宮っこ2白帯(無級)
袴小僧2白帯(無級)
厚木麻子2白帯(無級)
砂糖2白帯(無級)
2白帯(無級)
珠地租2白帯(無級)
真佐雪2白帯(無級)
蔵付2白帯(無級)
2白帯(無級)
鉄井欽也2白帯(無級)
有機2白帯(無級)
ketamoto2.5白帯(無級)
れいざっく2.5白帯(無級)
2.5白帯(無級)
赤青黄緑!!!!2.5白帯(無級)
Akki3白帯(無級)
BIT3白帯(無級)
HAKUMU3白帯(無級)
satan_angel3白帯(無級)
T・T3白帯(無級)
Ω3白帯(無級)
いしとも3白帯(無級)
いちなり3白帯(無級)
きんぴら3白帯(無級)
するめ3白帯(無級)
つるつる3白帯(無級)
とおる3白帯(無級)
ともか3白帯(無級)
なんば3白帯(無級)
ねこみそじ3白帯(無級)
バグ3白帯(無級)
はりぃ3白帯(無級)
みやもん3白帯(無級)
もうすぐ高校生3白帯(無級)
やま3白帯(無級)
宇呂田勝男3白帯(無級)
血塗れのショベルカー3白帯(無級)
小鳥遊3白帯(無級)
釘頭3白帯(無級)
miu3.5白帯(無級)
タカハシ3.5白帯(無級)
びば3.5白帯(無級)
ライ輔3.5白帯(無級)
3.5白帯(無級)
chate4白帯(無級)
ken24白帯(無級)
かさ4白帯(無級)
ザクス4白帯(無級)
シイナ4白帯(無級)
セバスチャン4白帯(無級)
ミンチーダーシュエ4白帯(無級)
むっちん4白帯(無級)
もぅ4白帯(無級)
もつなべ4白帯(無級)
ヤマタノオロチはお空が好き4白帯(無級)
4白帯(無級)
4白帯(無級)
筆怪4白帯(無級)
歐陽菲菲4白帯(無級)
AS4.5白帯(無級)
mion4.5白帯(無級)
Nekomata4.5白帯(無級)
魚の目4.5白帯(無級)
TAKA5緑帯(五級)
あば5緑帯(五級)
きゅうり君5緑帯(五級)
つの5緑帯(五級)
ヨン5緑帯(五級)
漢道5緑帯(五級)
新道 誠治5緑帯(五級)
てこ5.5緑帯(五級)
室蔵5.5緑帯(五級)
kacky6緑帯(五級)
いっぺぃ6緑帯(五級)
メントス味噌味6緑帯(五級)
出てきた6緑帯(五級)
水月6緑帯(五級)
天雲6緑帯(五級)
ひろゆき6.5緑帯(五級)
suica7緑帯(五級)
7緑帯(五級)
7緑帯(五級)
麻木7緑帯(五級)
たちばな7.5緑帯(五級)
D-boy8緑帯(五級)
リョオ8.5緑帯(五級)
激しく仕様9緑帯(五級)
思想のうろう9緑帯(五級)
ヤス9.5緑帯(五級)
じゅうべえ10緑帯(四級)
トト10緑帯(四級)
トマト10緑帯(四級)
ヤムイモ10緑帯(四級)
より10.5緑帯(四級)
ヒロト11緑帯(四級)
BUSAKU11.5緑帯(四級)
アツシ12緑帯(四級)
かずひれ12緑帯(四級)
パンタクル14緑帯(四級)
久保田14.5緑帯(四級)
15緑帯(四級)
きくぞう32.5茶帯(二級)
うめちき52.5黒帯(初段)



[ 2005年01月24日-12:57 ]  



電車大男。


――ざせき、どこかたのむ。


唐突だが僕は椎間板ヘルニア持ちだ。随分緩解した方ではあるが、一時期は大きな音がするだけで苦痛に顔を歪ませ、脂汗をたらりたらりと流すほどだった。そのくらいの椎間板ヘルニア持ちだ。

腰痛が酷いときは電車に乗ることが出来なかった。まず椅子に座れたとしても、発進停止の時の負荷がきつい。横揺れはとんでもない痛みをもたらすのだ。

さらに少しは快復してきた状態でも座れない可能性があるので電車は避けていた。優先席というモノが世の中にはあるのだが、なにしろ腰痛というのは外から見てもわからない。

足にギプスをしていたり松葉杖をしていたりすれば、優先席で「すみませんよろしいですか」と云うことも可能だが、腰痛はそうもいかないのだ。腰痛ベルトを二枚重ねにした上に、ウエイトトレーニング用の腰椎固定ベルトを巻いていても、外からはわからないのだ。だからもっぱら移動手段はバイクにしていた。


そして今、僕は腰痛に加えて右足を捻挫している。昨年のクリスマスイブに一人で華麗なる大開脚&大転倒を披露したときにやってしまったものだ。幸いにも骨は折れていなかったが、未だに腫れているし、痛い。

この状態ではバイクには乗れない。バランスを崩したとき、そうでなくとも停車するときに足をつくわけだが、これが角度によってはものすごく痛いのだ。

オマケに僕のバイクはビッグスクーターなので、バイク乗りの必須テクニックであるニーグリップ(膝で車体を締め付けて安定させるテクニック)が出来ない。その代わりに尻とフットスペースに設置した足で車体を安定させるのだが、それも出来ないのだ。


というわけで、ここのところの移動手段はやむなくバスと電車となっていた。そして事件は起きたのである。それは昨日の埼京線での出来事だった。

恵比寿から川越行きの埼京線各駅停車に乗り込んだ僕は、案の定座ることができなかった。ちなみに長時間揺れる足場に立っていると、まだ非常に足が痛い状態なので、なんとか吊革とポールのダブルハンドリングポジションをゲットする。これで幾分かはラクになる、あとは新宿あたりで座れることを祈るばかりだった。


しかし車内は乗り降りの激しい新宿を過ぎても一向に空く気配を見せず、次に乗り降りの激しい池袋を過ぎても変わらず、それより最悪な事に降車率より乗車率が上回るという状況になってしまった。

人の波に押されて、仕方なく僕は右手だけでポールに捕まるドアサイドに移動した。この時点で既に右足首は悲鳴を上げ始めていた。さらに右足首に負担をかけまいと頑張っていた左足にも鈍い痛みが走り始め、赤羽に着く頃には腰にまで痛みが出始めていた。

おそらく僕は一駅ごとに顔色と表情を悪化させていっていたことと思う。恵比寿での新年会、そのほろ酔い気分な上機嫌をトップとしたら、浮間舟渡の僕は5人殺った上にクスリの効果が切れて罪の意識とフラッシュバックに精神を蝕まれている犯罪者といった感じであったと思う。


僕がそんな風に痛みと戦っている間にも電車は走り続ける。しかし席は一向に空く気配を見せない。電車は戸田公園に着き、数人がここで下車したものの空席までの距離は、僕の身体状況から体感換算すると200mほどの距離にあり、あっさりと他の乗客に座られてしまった。

電車は戸田市の上をひた走り、蕨市を超えて僕のホームタウンであるさいたま市へと入った。しかしここでも間の悪いことに、武蔵野線が乗り入れる武蔵浦和駅で、またまた乗客が大勢乗り込んできたのだ。

ホームに滑り込んだ車両の窓の向こうにホームに並ぶ多くの人々を見た瞬間から、僕は世界中のありとあらゆるモノに呪詛の言葉を唱え続けていたが、無論のこと効き目はなかった。ぱらぱらと降りる乗客。そして怒濤の如く乗り込んでくる乗客。ドアサイドから、さらに奥へと押し込まれる僕。そして…


――むぎゅう。


右足を、踏まれた。


いや、確かにスムーズに奥へと移動しなかった僕が悪かったのかもしれない。座席横のポールに掴まりながらドアサイドにもたれるようにして立っていたのだ。足下に注意していなければ、座席横のポール側に投げ出された右足など見えるわけもない。

そんなところに足を投げ出している僕が悪いのだ。実際つまづくように踏まれたわけなのだから。だから仕方ない、仕方がないのだ。しかし痛い。尋常じゃなく痛いのだ。

幸いにも足を踏んだ人は小柄な女性だったし、ヒールで踏んだわけでもなく、「ごめんなさい!」といいながら、すぐに足をどかしてくれた。だがダメージは甚大だった。痛みの反射で慌てて足を引いたが、もはや右足首は一切の加重を拒否していた。


やがて電車は動き出す。僕の額にはうっすらと脂汗が流れ始めていた。ポールを握りしめる掌にも脂汗をかいているのか、ぬるぬるとして安定しない。それでも電車は動く、従って揺れる、揺れるから重心も移動する、移動すれば加重がかかる、加重がかかれば痛い、痛ければ悶絶する。

そんなスローモーションのような思考の中、僕は脳内BGMに平井堅の「瞳をとじて」を流しながら、電車の隅っこで痛みを叫びそうになるのを必死で堪える。堪えながら口の中で「自分頑張れ。あと4駅頑張れ」と繰り返す。窓に映る僕の顔は、銃器をもたせたら確実に発砲する表情をしていた。

やがて最寄り駅のホームに滑り込んだ頃には、脳内BGMは平井堅から「サライ」に変わっていた。ドアが開いて降りると、脳内徳光のお約束の涙に迎えられながら、武道館ステージならぬ改札に向かおうと足を引きずる。

そんな必死な僕に「あのう…」と声をかけてきたのは、さきほど僕の足を踏んづけた小柄な女性だった。仰向け気味に歯を食いしばって堪えていたので気づかなかったが、どうやら僕の方を見ていたらしいのだ。

「足、大丈夫ですか?ごめんなさいさっき踏んじゃったんで…」

正直、勇気ある女性だと思った。相手はニット帽を目深に被り、黒のフェイクレザーの軍用コートを着込んだ大男でる。しかも鈍器を持たせたら迷わず脳天めがけて振り下ろすようなツラをしているデブだ。

人情紙の如き世にあって、なんて誠意に満ちた女性だろう。別に踏まれた事を気にしてもいなかったのだが、車内で僕の顔を見ていたのならば、彼女の帰り道が不安になるような表情をしていたことは明らかだ。だから僕も誠意を持って応えることにした。

「あ、大丈夫ですよ。ちょっと捻挫してたんで最初から痛んでたんです」

「そうなんですか、ほんとごめんなさい。階段とか大丈夫ですか?」

「ええ、エスカレーター使いますから。どうもありがとうございます。ほんと、気にしないでください」

云いながら無理矢理に浮かべたわけではない笑みがこぼれた。なんと清々しい会話なんだろう。本当にそう思った。フラグが立つとか立たないとかイベント発生とかそういう事が頭をよぎったことは否定はしないが、だが彼女の心遣いが嬉しくて、思わず笑みがこぼれたのだ。

しかし彼女はその直後に「それじゃあ失礼します。本当にごめんなさい」と早口云うや目の前にある階段をスルーして、足早に別の階段へと向かった。おいおいそれって滅茶苦茶警戒してるだろ無礼だろなんでそんなにカツカツヒール鳴らして急ぎ足やねんってオイ!こっちを肩越しに振り返って後ろを確認するな!別に追いかけねーよ!くそーッ!無礼者!無礼者ッ!!ぶれいものーッッ!!!ちょっとでもときめいちゃったアタイの純情を返してよ!返してよぉおぉーーッッ!!!
(多分、最後の笑顔が決め手)



[ 2005年01月26日-08:54 ]  



感動なんかするもんじゃない。


皆さんおはようございます。

でも昼夜逆転というか、夜半過ぎ以降から深夜にかけてが最も活動的な僕にとっては、皆さんの時計でいうと朝の8時〜9時くらいが深夜2時くらいなんです。というわけで、それではおやすみなさい。


と終わらせてしまってはどうにもならないので話を続けます。

最近気がついたのですが、どうやら僕は「ドライアイ」というヤツらしい。仕事柄長時間PCのモニターという光源を見つめっぱなしだし、室内の空気は乾燥しているので、当たり前と云えば当たり前なのだが、今の今まで気がつかなかった。

それどころか液晶モニターに切り替えてからというもの、それまでの強烈ドアップ奥まで見えちゃうダメダメ的状況から、画面との適正な距離と作業スペースを同時に確保するという、非常に改善された環境に満足してしまっていたので、目に関してはこれで好し、なんて考えてしまっていたのだ。


ちなみにこのページを見てもらえばわかるように、ドライアイとは簡単に言うと目の水分が失われ気味な状態な症状、つまり涙レスな症状ということで、血も涙もないというか涙も枯れ果てたというか、そういう状態らしい。

詳しいことはよくわからんのだが、目を酷使する=開きっぱなし=目を擦ることも…となると、なんとなく乾燥する/ドライになるのだろうなぁとは薄ぼんやりとはわかる。

で、先ほどのページにも書いてあるように、とにかく乾燥と酷使がいけないらしい。夜は目が乾燥するからダメとか、パソコンのモニターはダメとか、煙草の煙がダメとか、とにかく色々注意書きがあるのだが、ぶっちゃけどれも守れてない上に、ドライアイの自覚症状はほぼ全て当てはまってしまう。そこにきてようやく自分がドライアイだということに気がついたのだ。我ながらあまりにも今更過ぎる。


しかし、気づいたところで何をどうということもしておらず、たまにロートジーフラッシュクールで目を洗ったり、サンテアスティなどの目薬をさしたりはしている程度だったのだが、それを忘れていた今朝方、というかつい先ほどに、とんでもないハプニングが起こった。

というのも、ふとしたはずみで、いわゆる「泣ける」内容のflash作品をみてしまったのだ。結構前の作品だが『「ありがとう」って言いそびれたヤツいる?』という有名な作品だ。ちなみに上記リンク先は音が出るので気をつけて欲しい。

昼間や宵の口なら「まぁこういうこともあろう」と流す程度なのだが、僕にとっての深夜、皆さんにとっての朝という『思考停止タイム』に見てしまったから酷かった。ただでさえ「夜に書いたラブレターを昼に読み返すな」とか云われるほど、右脳優位な感情・感受性剥き出しの時間帯である。

どれくらい剥き出しかといえば、深爪し過ぎて中のお肉が見えちゃっている人差し指のさきっちょっくらいの剥き出しっぷりである。そこに刺激を与えようものなら大の男でも色々なことを白状してしまう。僕のように精神的にアンチタフネスな人間などは、してないことまで白状してしまうほどだ。


とまぁそんな感じの感情・感受性剥き出しの理性ストッピング思考停止タイムであったから、上記のflashを見て、もうぼろぼろに泣いてしまった。おまけにマザコンの気があるというかマザコンな僕なので、さらにツボにヒットしてしまったのだ。最早ぼろぼろというかズタボロ泣きである。

しかも、思考停止するあまり、「最近泣いてないし、久しぶりにというか、たまにはまぁよかろう、涙腺の掃除だ」などと、涙を溢れるままにしてしまったから大変だった。拭くとか擦ると云った行為をしなかったものだから、久しぶりの溢れては零れ落ちる…とはならず、下まぶたから溢れ出して、その場にとどまったのだ。

するとどうだろう、乾燥した目に一気に水分が溢れ、疲れ目で擦りすぎて細かい傷だらけになっているであろうまぶたの裏側に、溜まった涙が一気に染み渡ったのだ。

ちなみに「涙」というとなにやら綺麗な液体のように思われがちであるが所詮体液である。分泌液である。汗とかその他汁とかとあんまり変わりはないのだ。そして人間の体液である以上、塩分が含まれている。塩分はというヤツはしみるのである。しみると痛いのである。そう、ものすごく痛いのである。



というわけで、久しぶりに溢れ出た感動の涙は、あっという間に別の涙にかわった。今までドライアイで機能していなかった眼球保護の本能が、にわかに動き出したのだ。つまり「目にしみる→目の危機だ!→洗い流さねば!」と余計に涙を流し始めたのだ。

いや、洗い流してくれるのは構わないのだが、その洗い流す為の体液はやっぱり涙であり、そうするとやっぱりしみるのである。やっぱり痛いのである。もう、なんていうかアレだ。自分の酸で作った池に沈んで溶けてしまうという非業の最期を遂げた仮面ライダー怪人のアリキメデスのような状態である。ギギギギギギー!!とか悲鳴をあげたくなるのである。

結局十分ぐらい「はぁあぁぁあ!!目が…!目がぁあぁぁーーーッッ!」と、ロムスカパロウルラピュタ大王(在位数十分)プレイをたっぷりと堪能して、今ようやく落ち着いてこの文章を書いている。

目は未だに少々しみるが、たっぷりと涙を流し続けたおかげで、妙に目がスッキリしているのもまた事実だ。理由や原因はどうであれ「泣いた」というのも実に久しぶりであるし、おかげで気分も冴え冴えとしている。人間はあらゆる排泄行為に快楽を伴うというが、なんとなくその説を体験をもって理解できたような気がした。



まぁ問題はこれから仮眠タイムだというのに、気分を冴え冴えさせたり、スッキリして目を覚めさせてどうするんだということなのだけれども。
(ロートジーフラッシュクールよりしみたもんね…)



[ 2005年01月28日-06:56 ]  



24人のヒモテ・ミリガン


誰だそれ。

というわけで、いつやったかもう覚えてないのですが、前回は出オチ要員として「24人の美女スペシャル」に出演させていただきました、Numeriのpatoさん主催のネットラジオに再び参戦することになりました。

なんでも今回のタイトルは「ぬめぱと変態レィディオ-pato VS 24人の非モテスペシャル-」ということで、24人の非モテの一人としてめでたく選出されたわけです。わーいってコラ。

大体アレですよ。patoさん本人は随分若い嫁さんもらったりとかで、非モテとかそういう話は全てナッシングなくせに、あのナイスガイいつか犯す。ムッフーン。


というわけで、出演といっても電話ゲストなんですが、23:00〜23:30の二十分ちょいですが、よかったら聞いてやって下さい。あーでもシモネタとかだめな人はパスした方がいいかもしれません!今日はもう昭和生まれの男子中学生みたいなアレっぷりで行きますよ!ヒャホウ!んで、聴き方とかはリンク先をクリッカブル!


ぬめぱと変態レィディオ
-pato VS 24人の非モテスペシャル-




今回は出オチ要員は避けました。
(最初は「最初の時間が空いてるんですが!」とオファーがありました)

終了しました。




30分すごい勢いでペニィの
大きさについて語りあってました。






小太刀です…。
寒くなると彫刻刀になるとです…。

(哀愁芸人ヒロシ風に…)



[ 2005年01月28日-21:29 ]  



でぶなび:羊をめぐる冒険


でぶなび=春九堂が食いしん坊デブとして、味とコストパフォーマンス、サービスなどを総合評価して紹介するという、デブキャラむき出しの記事。某大手グルメサイトとは関係ないし、人気のテレビ東京系番組とも関係はない、と思う。


さて、昨日の事です。唐突に馬頭琴の音色に身を委ねながら、明らかに「これ料理用じゃないでしょ?」という形状をした殺傷能力の高そうなナイフで羊肉をズンバズンバ切っては喰うというダイナミック感満載のモンゴル料理を食べたくなった僕は、仲間内に連絡をして一路都内へと向かいました。

お目当ての店は巣鴨駅南口徒歩10分ちょっとの住宅街にあるモンゴル料理専門店『シリンゴル』。毎晩20時くらいから馬頭琴の生演奏が聴けるという、素敵なお店です。

どれぐらいステキかというと、店内の照明が落とされピンスポットで民族衣装に身を包んだ演奏者が馬頭琴を時に激しく、時に切なく奏でるのですが、摩擦によって弦から舞い散る粉まで見えるという至近距離なんですな。どこか郷愁を誘いつつも、我々のような農耕民族ではなく、徹底した騎馬民族故の力強さを胃の腑と鼓膜で感じられる…そんなステキさっぷりです。


ところが、電話をかけてみたところ残念なことに予約だけで満席とのこと。急遽お仕事でお世話になっている方がよくいっているという池袋北口(ないし西口)のモンゴル料理店に足を伸ばしてみたわけです。

最寄り駅から珍しく座席に座れたもんですから、速攻眠り込んでしまい、寝ぼけていたせいか予約の人数を間違えるというハプニングがあったりして、しばらく店の前で待たされたりしたものの無事に入店。

こじんまりとした部屋の中にギッシリとテーブルが並べられ、カウンターを隔てたこれまた小さい厨房では、しきりに圧力鍋がしゅんしゅんと音を立てている、そんな小さなモンゴル行宮料理のお店『故郷 NOTAG』

残念ながら掲示板で少し話題になった「酪」こと自家製のアイラグ(モンゴル風ヨーグルト)は既に売り切れではありましたが、甘くて口当たりの良い龍駒牛乳酒などを飲みつつ、これでもかと羊肉を喰らってきました。


いやーやっぱ羊はいいですな!モンゴルモンゴル!チンギス、イルギス、フビライの大ハーンに乾杯!とひとしきり喜んだ後で、今度はそのまま馴染みのBARに向かいました。

このBARは、池袋北口徒歩5分くらい、線路沿いにまっすぐ歩いて左手にある緑色の看板の「ホテルレイ」というビジネスホテルのB1にある「sure(シュール)」というお店なんですが、ここはなんといってもマスターがとにかくイイ男で細やかなサービスをしてくれるものですから、落ち着く雰囲気と美味い酒についつい長居をしてしまうお店なんです。

客層は大体二十代半ばくらいから三十代後半ってところでしょうか。BARとしてはそこそこ若い人が集まるお店です。BGMは控えめなボリュームの洋楽。時々何故かアースウインド&ファイアがかかったりもします。BGVはプロジェクターで大体Jスカイスポーツ。

ウイスキーはバーボンが中心で種類もなかなか。カクテルも種類豊富ですし、オリジナルカクテルがナイス。レストランバーを名乗っているだけあって、フードも結構充実しています。チャージもお通しっつーかスナックで400円程度かな。気にしたことがないのでよくわかりませんが、安くはないけれども決して高くもない料金です。


で。この店にはソフトダーツのマシンが2台並んでいるのですが、普段は適当に投げて遊ぶだけなんですが、今日は思わず熱中モード、むしろ部活モードに突入して投げに投げまくりです。自分でも何でそんなに熱くなったのかよくわからないのですが、行くたびに投げていて楽しさに目覚めたといったところでしょうか。

んで、1ゲーム100円のところに400円ぶち込んで、最後の最後にようやく511点(ハイアンドロールール/3投8ラウンド)を出せたんです。そりゃーもう多分に奇跡とか偶然のレベルですが、それでも500を超えると、このお店ではマスターにポラロイド写真を撮ってもらってキープのマイダーツをプレゼントしてもらえるんです。

いやー勝負事で景品もらうなんて、滅多にないもんですから、もう嬉しくて嬉しくて年甲斐もなく大喜びしてしまいましたね(笑)。

そんなわけで今「sure(シュール)」に行くと、ダーツコーナーのコルク板に僕のポラロイド写真が貼ってあったりします。ウチの大福熊猫のトレーナーを着ている上に、明らかに他に貼られたポラロイド写真の誰よりもデブですので、すぐわかるかと思いますが、まぁそっとしておいてやってください(笑)。


それにしても、ダーツが面白い。帰宅後に調べてみたらソフトダーツ用のエレクトリックボードなんて、10000円前後で買えてしまうんですよねえ。単純計算では、100ゲームやったら減価償却ってことです。飲み代を考えたらもっと安い(笑)。

しかも僕の部屋は縦に長い作りなので(といっても所詮屋根裏部屋、ウナギの寝床状態)、設置できないことはないというか、普通に出来そうです。ダーツのルールではボードからスローラインまでの距離は2m44cmらしいのですが、その距離もなんとかなりそうです。

そんなわけでして現在「やばい、ひょっとしてハマったか?買っちまうのか?投げ込みまくりか?ダーツ部とか作っちゃうのか?!」なんて一人大暴走して、購入の方向に相当強く揺れ動いています。


さて。これは全くの余談なんですが「揺れている」といえば、僕は件のBAR「sure(シュール)」には8割方マスター(超好み)目当てで行っているわけですが(ノンケです)、今日の帰りしなに、そのマスターが「あ、よかったらこれどうぞ」と、何かの包みを渡してくれたんですよ。

僕はマスターの名刺をいただいていますが、タイミング悪くいつも名刺を切らせているので、マスターは僕の名前もしらないはず。常連(?)一のデブであることは間違いないでしょうから、どんなお店でも覚えられやすいことは確かなんですが、プレゼントをされるような好い客でもないと思うんです。

で、「え?なんすか?」と、受け取ってみたら中身はココナッツのドライフルーツ。なんでもマスター曰く「これ見たときにお顔が浮かんだんで買っておいたんです」とのこと。

なにこれ。え、ひょっとして、ちょっと早めのバレンタインプレゼントですか。

おいおいマスターどういうことっスか、まだ僕は名乗ってもいないのに、そんな。まだはやい、いやもう早速好きにして。いやそんなダメダメ。そんなお酒飲んでるからって、そんなのはまだ!まだちょっとだけ、ちょこっとだけ速いかもー!!なんて、おみやげもらった程度で、相当ハードにマイハートがときめいて揺れてしまっています(ノンケです)


まぁそんなわけですっかり常連化してきているお店なわけなのですが、池袋の西・北口界隈では随一にオススメのBARなので、是非皆さんも寄ってみて下さい。
【店名】レストランバー「sure(シュール)」
【アクセス】JR池袋駅北口徒歩5分
【営業時間】20:00〜2:00、金土祝前20:00〜4:30 (日曜・祝日定休)
【電話】03-3982-5575
【住所】東京都豊島区池袋1-1-1 ホテルレイB1F(ハイネケンのボトル看板が目印)
【平均予算】4000円前後
【備考】ソフトダーツ2機。テーブル席8人程度、カウンター15席程度、貸切サービスあり(基本2時間)
【オススメ】自家製のカシスリキュールを使ったオリジナルカクテル「ベルベットテンプテーション」他多数
なお、僕のようにマスターにハマってみたい人はカウンター向かって左手の奥の方の席が僕的通称「アリーナ/特リン」となっております。是非ハードシェイクのカクテルを作ってもらってください(笑)!



マスター、シェイクの時の腰のキレが
タダモノじゃありませんから(大興奮)!

(繰り返しますが僕ノンケです)



[ 2005年01月30日-10:33 ]